「定年延長」に関する意識調査
年金や定年に関する法改正について「内容を含めて知っている」と回答したミドルは2割以下。
8割以上が「61歳以上」も働きたいと回答。
一方で、「ポストが空かず、後進の昇進や若者の雇用を奪う」という懸念も。
人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営するミドル世代のための転職サイト『ミドルの転職』上で、サイトを利用している35歳以上のユーザーを対象に「定年延長」についてアンケートを行ない、2,376名から回答を得ました。以下、概要をご報告します。
調査結果 概要
- 年金受給・定年延長などの法改正について「内容を含めて知っている」と回答したミドルは2割以下。高年齢者が働きやすい環境整備を進める法改正に関して、8割以上が「賛成」と回答。
- 8割以上が「61歳以上」も働きたいと回答。理由上位は「年金だけでは生活できない」「定期収入を得られる期間が延びる」「健康・体力維持」。
- 定年延長で働く高年齢者が増加することでの影響、上位は「年金制度等の変化」「健康寿命の延伸」 。「ポストが空かず、後進の昇進を阻む」「若者の雇用を奪う」という懸念も。
調査結果 詳細
1:年金受給・定年延長などの法改正について「内容を含めて知っている」と回答したミドルは2割以下。高年齢者が働きやすい環境整備を進める法改正に関して、8割以上が「賛成」と回答。
「(年金法の改正ついて)年金の受給開始を66歳~75歳まで繰り下げることが可能になり、繰り下げた場合、受給額が増額されるようになったことをご存知ですか?」と伺うと、「名称だけ知っている」が56%。「内容を含めて知っている」と回答した方は14%でした。
「(高年齢者雇用安定法の改正について)70歳までの定年引き上げや継続雇用制度の導入が、企業側の努力義務になったことをご存知ですか?」と質問すると、「内容を含めて知っている」は15%、「名称だけ知っている」は50%と、どちらの法改正についても、内容まで把握している方は2割以下という結果でした。
法改正の内容について説明した上で、「年金受給時期の選択や、定年延長などの法改正によって、働く意欲がある高年齢者が定年を延長できたり、長く働きやすい環境整備を国が進めていますが、そのことに関して賛成しますか?反対しますか?」と伺うと、81%が「賛成」(賛成:35%、どちらかといえば賛成:46%)と回答しました。
2:8割以上が「61歳以上」も働きたいと回答。理由上位は「年金だけでは生活できない」「定期収入を得られる期間が延びる」「健康・体力維持」。
「あなた自身は、何歳まで働きたいと思いますか?」と伺うと、「61歳以上」と回答した方は80%でした。(61歳~65歳まで:28%、66歳~69歳まで:11%、70歳まで:21%、71歳以上:20%)。61歳以上も働きたいと回答した方に、定年延長しても働きたい理由を伺うと、上位は「年金だけでは生活できないから」(63%)、「定期収入を得られる期間が延びるから」(52%)、「健康・体力維持のため」(51%)でした。
年収別にみると、年収1000万円以上の方は「定期収入を得られる期間が延びるから」(57%)が最多、年収1000万円未満の方は「年金だけでは生活できないから」(71%)が最多でした。
一方で、「60歳以下」と回答した方19%(~59歳まで:6%、60歳まで:13%)の方に、定年延長などしない理由を伺うと、年収層問わず「仕事以外のことに時間を使いたいから」(70%)がトップでした。
「61歳~65歳まで」「66歳~69歳まで」「70歳まで」「71歳以上」働きたいと回答した方
■「年金だけでは生活できないから」と回答した方
・年金支給額は確実に減少するから。(39歳男性/年収1000万円以上)
・自由に暮らせるお金を作るために期間を要しそうだから。 (43歳男性/年収1000万円未満)
■「定期収入を得られる期間が延びるから」と回答した方
・年金額にも不安があり、身体が動くうちは収入を得るために働きたいから。(47歳男性/年収1000万円以上)
・年金受給までの空白期間に無収入になるのは不安のため。(41歳女性/年収1000万円未満)
■「健康・体力維持のため」と回答した方
・いつまでも、同じリズムで生活を続けていきたいから。(53歳男性/年収1000万円以上)
・退職後に病気になる人を見てきて、少しでも健康維持したいため。(35歳男性/年収1000万円未満)
「~59歳まで」「60歳まで」働きたいと回答した方
■「仕事以外のことに時間を作りたいから」と回答した方
・ボランティアや地域貢献など、会社ではできない取り組みをしたいから。(36歳男性/年収1000万未満)
・ある程度働いたら残りの人生はゆっくりしたいし、自分でカフェなど趣味の範囲で開業したいため。(35歳女性/年収1000万未満)
■「60歳定年が妥当だと思っていたから」と回答した方
・人間いつ死ぬかわからない。仕事だけの人生だと悲しくなるかもしれないので、60歳から遊びたいから。(43歳男性/年収1000万未満)
・過去の通例から60歳をひとつの区切りとして考えていた。雇われる身を脱し、仕事以外の時間を多くとることや、新たな挑戦をすることに時間をかけたいため。(51歳男性/年収1000万未満)
■「体力・能力的についていけなくなるから」と回答した方
・働くだけで人生が終わるのが納得できず、ある程度健康でないと次にやりたい事ができないと思うから。(52歳男性/年収1000万未満)
・趣味などを我慢しながら馬車馬の様に働き続けているため、自分の身体がまだ自由に動く内に色々と楽しみたいから。また、持病があるため、高齢まで無理ができないから。(44歳女性/年収1000万未満)
3:定年延長で働く高年齢者が増加することでの影響、上位は「年金制度等の変化」「健康寿命の延伸」 。「ポストが空かず、後進の昇進を阻む」「若者の雇用を奪う」という懸念も。
「定年延長などにより高年齢者が多く働くようになることで、社会や会社にどのような影響を与えると思いますか?」と質問すると、上位は「年金制度や社会保障制度が変わる」(44%)、「意欲的な高齢者が増え、健康寿命が延びる」(43%)、「国民全体の生涯年収が増える」(37%)でした。
プラスの側面がある一方、「ポストが空かず、後進の昇進を阻んでしまう」(33%)、「若者の雇用や、活躍の場を奪ってしまう」(30%)という回答が続きました。
【調査概要】
■調査方法 :インターネットによるアンケート
■調査対象 :『ミドルの転職』を利用する35歳以上のユーザー
■有効回答数:2,376名
■調査期間 :2022年7月11日~9月11日
問い合わせ先
エン・ジャパン株式会社
広報担当:清水、高田、齊藤
TEL:03-3342-6590
E-mail:en-press@en-japan.com
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(エン・ジャパン株式会社/ 11月2日発表・同社プレスリリースより転載)