【育児・介護休業法の改正】8割の方は好意的だが課題も
人事・総務担当者の6割以上が“就業規則の変更が必要”と回答
株式会社EPコンサルティングサービス(本社所在地:東京都港区、代表取締役:野﨑 正幸)は、企業の人事・総務担当者/配偶者が出産予定の会社員を対象に、「育児・介護休業法の改正」に関する調査を実施しました。
近年、私たちの働き方や家庭と仕事との両立のしやすさを実現するために、様々な場面で議論がされています。
そんな中、令和3年6月に育児・介護休業法が改正され、今年4月1日から段階的な施行が始まりました。
育児休暇、通称・育休に関しては、これまでは主に女性が取得するものというイメージが根強くありましたが、近年は男性でも取得可能になっており、今後は夫婦で協力して子育てに向き合うことがしやすくなると期待されています。
そういった「育休の取り方」に関連する同法の新たな施行が10月1日より開始となりますが、各企業の管理担当者や育休取得の対象となる会社員の方々は、これについてどれくらいご存じなのでしょうか。
そこで、プロフェッショナルアウトソーシングサービスを提供する株式会社EPコンサルティングサービスは、企業の人事・総務担当者/配偶者が出産予定の会社員を対象に、「育児・介護休業法の改正」に関する調査を実施しました。
■認知度は約87% 育児・介護休業法の改正について好意的な意見は8割!
はじめに、育児・介護休業法の改正に関して伺っていきたいと思います。
「2022年4月1日、育児・介護休業法が改正されたことを知っていますか?」と質問したところ、『既に知っており、内容も把握している(49.8%)』と回答した方が最も多く、次いで『知っているが、内容はあまり理解していない(37.8%)』『まったく知らない(12.4%)』と続きました。
内容も把握している方が半数近くいますが、まったく知らない方や内容は理解していない方もいるようです。
では、今回の改正についてどのように思っているのでしょうか。
そこで、「今回の改正について、どう思いましたか?」と質問したところ、『とても良いと思った(27.7%)』『まあ良いのではないかと思った(58.6%)』『あまり良くないと思った(10.0%)』『まったく良くないと思った(3.7%)』という回答結果になりました。
『とても良いと思った』『まあ良いのではないかと思った』と回答した方を合わせると、8割以上が好意的な意見のようです。
企業にとって育児・介護休業法の改正が、家庭と仕事との両立のしやすさを後押ししてくれると感じている方も多いのかもしれません。
■今回の改正をどう思う?2割の人は「働き方・休み方に変化があるとは思わない」と回答
8割以上の方が育児・介護休業法の改正を好意的に感じているということが判明しましたが、今回の改正について具体的にどう思っているのでしょうか。
今回の改正について思うこと
・これからの子供の未来を一途に考えてくれるととても嬉しい(30代/男性)
・子供と接する機会が増えて良いと思う(40代/男性)
・社員の権利が増えたが、運用方法の整理が必要(40代/男性)
・実際に確実に運用できるか現状なんとも判断し難い段階である(50代/男性)
などの回答が寄せられました。
お子さんと接する時間が増えることに喜んでいる方もいる一方で、実際に運用できるのか不安と思っている意見もありました。
では、法改正により今後の働き方や休み方に変化はあるのでしょうか。
「10月1日からの施行により、今後の社員の働き方や休み方は変化すると思いますか?」と質問したところ、『大きく変化すると思う(26.6%)』『多少は変化すると思う(54.8%)』『特に変わらないと思う(18.6%)』という回答結果になりました。
『大きく変化すると思う』『多少は変化すると思う』と回答した方を合わせると、8割以上の方が変化すると考えているようです。
一方で、『特に変わらないと思う』と回答した方も2割近くいました。
法改正をしたとしても業務量などの関係で実際の運用が難しい企業もあるのかもしれません。
■各企業での準備は整ってる?改正に伴う現場の苦労も
先程の調査で、8割以上の方が今後の社員の働き方や休み方に変化があると考えているということが判明しました。
では、改正に伴って社内での対応や準備などは進んでいるのでしょうか。
ここからは、企業の人事・総務担当者に伺っていきたいと思います。
「改正に関して、社内での対応またはその準備は進んでいますか?」と質問したところ、7割以上の方が『はい(73.3%)』と回答しました。
事前に準備を進めている企業も多いということが分かりましたが、では、具体的にはどのような変更が必要なのでしょうか。
「改正に関して、どういった部分での変更対応が必要になりますか?(複数回答可)」と質問したところ、『就業規則(69.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『社内制度(55.5%)』『人事部、総務部内での事務手続き(41.8%)』『管理職への指導(32.9%)』『その他社員への指導(20.2%)』『その他社内での事務手続き(15.9%)』『社外での事務手続き(15.1%)』『就業時間(14.6%)』『就業日数(11.3%)』と続きました。
7割近くの方が『就業規則』を変更する必要があると回答しました。
『社内制度』『人事部、総務部内での事務手続き』の回答も上位にあることから、人事・総務担当者の方は、通常の仕事に加え業務量が増えているのかもしれません。
そこで、改正に関する対応でどのようなことに苦労しているのか伺いました。
法改正で苦労していることや大変なこととは
・改正に対応したやり方だと、なかなか従来通りの仕事の質が保てない(40代/女性)
・独身者の理解が得られにくいこと(40代/女性)
・社員の意識を変えるのが大変(40代/男性)
・高齢男性の理解度が低い(50代/男性)
などの回答が寄せられました。
実際に、制度を使う当事者以外の社員の意識や理解を得られていないという意見がありました。
就業規則などの変更も大事ですが、第一に社員の理解がないと休みを取りづらくなるかもしれません。
■育児休業を活用したいと考える人は8割以上!今後の実用性はあるか
7割以上が、法改正に関して社内での対応、またはその準備を進めているということが判明しました。
では、自社での実用性を期待している方はどのくらいいるのでしょうか。
ここからは、配偶者が出産予定の会社員の方に伺っていきたいと思います。
「今回の改正に関して、自社での実用性に期待はしていますか?」と質問したところ、『とても期待している(21.8%)』『多少は期待している(44.7%)』『あまり期待していない(24.9%)』『まったく期待していない(8.6%)』という回答結果になりました。
『とても期待している』『多少は期待している』と回答した方を合わせると、6割以上の方が期待しているようです。
公に休めてお子さんと一緒に過ごす時間が増えるので、期待している方が多いのかもしれません。
一方で、3割以上の方が『あまり期待していない』『まったく期待していない』と回答していることから、企業によっては期待できないと感じているのかもしれません。
それぞれ回答した理由について具体的に伺っていきたいと思います。
『とても期待している』『多少は期待している』と回答した方
・育休に理解のある会社のため(30代/男性)
・会社内に浸透するには時間がかかる(30代/男性)
・現場の人数等の兼ね合いもあるので、100%の期待は出来ない(30代/男性)
・パートナーの負担軽減になるから(40代/男性)
『あまり期待していない』『まったく期待していない』と回答した方
・スタッフが不足しているので厳しいと思います(20代/男性)
・フリーランスだから(30代/男性)
・学校関係では、担任業務を交代すること自体が難しく思う(30代/男性)
・業務の人数の都合上、長期で休むことが難しい(30代/男性)
などの回答が寄せられました。
職種や業種によっては、育児休業を活用することが難しい場合もあるようです。
そこで、育児休業を活用したいかどうか聞いてみました。
「可能であれば、この制度を利用し育児休業を活用したいと思いますか?」と質問したところ、8割以上の方が『思う(81.2%)』と回答しました。
非常に多くの方が、可能であれば活用したいと思っているようです。
【まとめ】現場での苦労は絶えないが、改正に期待する人も多い!より良い「働き方」のために必要なものとは?
今回の調査で、内容の理解度には差があるものの、9割近くの方が2022年4月1日から育児・介護休業法が改正されたことを知っていることが明らかになりました。
そして、配偶者が出産予定の会社員への調査では、今回の改正について自社での実用性を期待している方が6割以上いることが判明しました。
一方で、業務を簡単に引き継ぐことが難しい職種や業種の方もいるようですが、可能であれば育児休業の制度を利用したいと思っているようです。
また、人事・総務担当者は法改正で、通常の仕事に加え業務量が増えて苦労されていることでしょう。
業務量が増えて悩んでいる企業の方は、アウトソーシングを検討してみるのもひとつの手かもしれません。
調査概要:「育児・介護休業法の改正」に関する調査
【調査期間】2022年8月9日(火)〜2022年8月10日(水)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,048人(企業の人事・総務担当者:506人/配偶者が出産予定の会社員:542人)
【調査対象】企業の人事・総務担当者/配偶者が出産予定の会社員
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社EPコンサルティングサービス/9月6日発表・同社プレスリリースより転載)