ジョブ型雇用に関する意識調査
5割弱が「ジョブ型雇用」を希望
株式会社日経HR(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:齋藤惠)は2022年4月中旬から下旬にかけて、「日経転職版 ジョブ型雇用に関する意識調査」を実施し、887人から回答を得ました。
「ジョブ型雇用」の認知度や現在の雇用制度、「ジョブ型雇用」で働くことを希望するか、「ジョブ型雇用」のイメージなどを聞きました。ビジネスパーソンが「ジョブ型雇用」をどのようにとらえているのかが分かります。
※調査では、「ジョブ型雇用」「無限定型雇用(メンバーシップ型雇用)」を以下のように定義しました。ジョブ型雇用:働き手の職務内容や勤務地をあらかじめ明確に規定して雇用する制度のこと。事業展開に合わせて外部労働市場から機動的に人材を採用する欧米企業に広く普及している。
無限定型雇用(メンバーシップ型雇用):職務や勤務地を限定しないで雇用する制度のこと。日本企業に特有の雇用制度。
■「ジョブ型雇用」の認知度
「制度内容をよく知っている」27%、「制度の詳細までは知らないが概要は知っている」46%
日本の雇用制度が「ジョブ型雇用」に移行する動きがありますが、「ジョブ型雇用」を知っているかを聞いたところ、「制度内容をよく知っている」(27%)、「制度の詳細までは知らないが概要は知っている」(46%)で、約7割がジョブ型雇用の概要まで把握していました。「言葉だけは知っている」(20%)を含めると、「ジョブ型雇用」という言葉は、93%と広く認知されています。また、自身がジョブ型雇用でない人(非ジョブ型)の認知度では「よく知っている」が6ポイント少なくなりましたが、「概要は知っている」を含めると、4ポイントほどの差となりました。
■所属組織の「ジョブ型雇用」の導入状況
「導入」24%、「導入していない」76%
所属する組織が「ジョブ型雇用」を導入しているかについては、11%の人が「全社員に導入している」で部分的な導入も含めると計24%が「導入」し、「導入していない」が76%と大半を占めています。
■現在の自身の雇用制度
「ジョブ型雇用」20%、「無限定型雇用」59%
自身の雇用制度は、「ジョブ型雇用」か「無限定型雇用(メンバーシップ型雇用)」のどちらかを聞いたところ、20%の人が「ジョブ型雇用」、59%の人が「無限定型雇用(メンバーシップ型雇用)」と回答しました。
■希望する雇用制度
「ジョブ型雇用」48%、「無限定型雇用(メンバーシップ型雇用)」15%
「ジョブ型雇用」と「無限定型雇用(メンバーシップ型雇用)」のどちらかを選べるなら、どちらを選ぶか? と聞いたところ、48%の人が「ジョブ型雇用」、15%の人が「無限定型雇用(メンバーシップ型雇用)」と回答しました。「どちらでもいい」は38%でした。
■「ジョブ型雇用」を選んだ理由
「仕事の範囲が明確だから」79%、「専門性が身につくから」49%
希望する雇用制度で「ジョブ型雇用」と選んだ人にその理由(複数選択)を聞いたところ、「仕事の範囲が明確だから」(79%)、「専門性が身に付くから」(49%)、「転勤がないから」(28%)、「日本でもジョブ型雇用が主流になると思うから」(21%)、「部署異動がないから」(14%)の順でした。「その他」では「強みを生かせる」「無限定型の評価が不明瞭」などの意見がありました。
■「無限定型雇用(メンバーシップ型雇用)を選んだ理由
「仕事の幅を広げたいから」60%、「今の働き方が合っていると思うから」43%
志望する雇用制度で「無限定型雇用(メンバーシップ型雇用)」と選んだ人にその理由(複数選択)を聞いたところ、「仕事の幅を広げたいから」(60%)、「今の働き方が合っていると思うから」(43%)、「部署の異動をしたいから」(16%)、「転勤をしたいから」(10%)の順でした。「その他」では「安定」をあげる声が多く見られました。
■「ジョブ型雇用」についてのイメージ
「成果によって給与が大きく変動する」38%、雇用への不安もあがる
現在の雇用制度が「ジョブ型雇用」でない方に、「ジョブ型雇用」についてのイメージを選んでもらったところ(複数選択)、「成果によって給与が大きく変動する」(38%)、「年功序列でなくなる」(35%)「転職がしやすくなる」(35%)が上位3つで、続いて「担当する仕事がなくなったら解雇される」(29%)、「成果が上げらなければ解雇される」(24%)と雇用への不安をあげる人も多くいました。
その他では、「未経験者が入り込む余地がない」「管理職登用の可能性が低くなる」といった悲観的な意見や、「社員がキャリア形成に対する高い意識を持つ必要があり、それに対して企業側も応えていく必要がある」「ジョブディスクリプションの内容に対する会社側・従業員側の解釈ミスマッチに注意が必要」といった課題をあげる声もありました。
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(株式会社日経HR/6月6日発表・同社プレスリリースより転載)