日本で働く外国籍人材のキャリアデザイン、職種によって大差あり
ビジネス・プロフェッショナル×バイリンガルのための転職・求人情報サイト「Daijob.com」を展開するヒューマングローバルタレント株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:横川 友樹、以下「当社」)は、同サイトの外国籍登録者や求人情報をもとに、外国籍人材の日本におけるキャリアデザインについて独自調査を行いました。
【調査結果のポイント】
・高度人材(※1)の最終経験職種(※2)は「教育/トレーニング/語学系」が最も多い
・高度人材の最終職種別年収(※3)は、「IT関連」職で年収501万円以上が約20%
・同職種への転職は、「IT関連」が71%で最も多く、「流通・小売/消費財/ファッション」は23%と最も低い
※1.「高度人材=高度外国人材」:大学や日本の専門学校卒業程度の学歴があり、専門的な技術や知識、業務を遂行するためのスキルを持っている外国籍労働者。
※2.最終経験職種:Daijob.comに履歴書を登録した時点で、最後に経験している職種データを利用
※3.最終職種別年収:Daijob.comに履歴書を登録した時点で、最後に就業している職種での年収データを利用
■本件の概要
日本の就職制度には、海外と比べて珍しい「新卒一括採用制度」がありますが、日本特有の文化がある中でも、外国人の労働人数はここ数年で増えており、就業する職種の幅や日本国内での転職回数も増加傾向にあります。そこで、Daijob.comは在留資格「技術・人文・国際業務」保有者を中心に、高度人材が実際にどのような職務を経験し、キャリア形成をしているのかを調査してみました。
■調査概要
【調査機関】自社調査
【調査期間】調査1、2:2022年5月6日~5月18日 調査3:2021年8月
【調査対象】Daijob.comに登録している外国籍、日本在住、就労ビザあり、日本語ビジネスレベル(日本語能力試験2級またはN2)以上(※「3」の調査のみ日本語レベル問わず)
【調査人数】19,612人
【調査方法】自社保有のDaijob.com登録データを集計
■調査結果サマリー
1.高度人材の最終経験職種は「教育/トレーニング/語学系」が最も多い
1番多かった最終経験職種は、外国人だからこそ仕事に活かしやすい言語能力が必要な「教育/トレーニング/語学系」になり、続いて「IT関連」、「事務系」という結果になりました。日本での滞在経験があまりない人が、初めて日本で就く職種として、語学教師を選ぶことが多くなっています。
2.高度人材の最終職種別年収は、「IT関連」職で年収501万円以上が41%
今回の調査で、最終経験職種として1番多かった「教育/トレーニング/語学系」は、年収300万円以下が約半数で、2番目に多かった「IT関連」は、年収501万円以上が41%、「事務系」は年収301万円以上が50%以上を占めています。
3.同職種への転職は、「IT関連」が71%で最も多く、「流通・小売/消費財/ファッション」は23%と最も低い
同じ職種に転職した人が特に多かったのは、専門スキルが必要な「IT関連」と、最終経験職種として1番多かった「教育/トレーニング/語学系」でした。逆に同じ職種への転職が少なかったのは、「流通・小売/消費財/ファッション」、「事務系」職となりました。「流通・小売・ファッション」は、もともと希望職種にあげる人が1番少ない調査結果がでており、「事務系」や「ホテル/レジャー/外食系/旅行」「教育/トレーニング/語学系」「営業」などに転職しています。
まとめ
今回の調査から、外国籍人材の日本でのキャリア形成において、同職種で専門性を高めていく人材と、経験職種を増やしてキャリアを広げていく人材がいることがわかりました。
■調査結果を受けて
ヒューマングローバルタレント株式会社 代表取締役 横川 友樹 / 一般社団法人外国人雇用協議会 理事
今回の調査では、在留資格「技術・人文・国際業務」保有者を中心に、登録者の属性並びに転職後の職種について調査をいたしました。日本のカルチャーに興味を持ち、日本を選んでいただける外国籍のキャリアの入り口として、強みを活かせる「教育/トレー二ング/語学系」が選ばれておりますが、今後のキャリアを踏まえると従事する業務で経験を積みながら、若年層のうちにどれだけ日本語レベルを上げられるのかが、日本でのキャリアの分かれ目になると考えます。労働人口の減少を背景に、受け入れる企業においても、育成にどれだけの費用や時間を費やしたかが、企業の価値として問われてくるとものと思います。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ヒューマングローバルタレント株式会社 / 6月7日発表・同社プレスリリースより転載)