海外留学生のキャリア意識と就職活動状況調査 ~CFN会員調査(2022年4月発行)
株式会社ディスコ(本社:東京都文京区、代表取締役社長:新留正朗)は、海外の大学で学ぶ正規留学生や交換・派遣留学生を対象に職業観や就職活動の方法、留学経験への感想など海外留学生のキャリア意識を調査しました。新型コロナウィルス禍の影響で、渡航制限や授業のオンライン化など、海外留学にも大きな影響が出ているなか、就職活動の状況を国内学生と比較しながら分析しました。 (調査期間:2022年2月18日~3月9日、回答数559人)
<調査結果>※一部抜粋
1.志望業界
海外の大学への留学経験をもつ日本人留学生は、どのような仕事に就きたいと考えているのだろうか。志望業界や職種のほか、キャリア観などをいくつかの指標で尋ねた。
まず、現時点での志望業界を文理ごとに集計し、国内の大学・大学院で学ぶ学生(以下、国内学生)と比較した。
文系を見ると、留学生は「商社(総合)」(39.7%)と「調査・コンサルタント」(33.5%)の 2 業界に人気が集中している。一方、国内学生は「銀行」「情報・インターネットサービス」が高い。 理系では、留学生は「調査・コンサルタント」(36.1%)と「情報処理・ソフトウエア」(32.0%)の人気が高い。また、「商社(総合)」の数字も高く、国内学生との差が顕著。IT 業界の人気が高いのは共通だが、国内学生はメーカー志望者も多い。
3.海外での勤務希望と海外で働きたい理由
日本国外(海外)での勤務について希望を尋ね、国内学生と比較した。留学生は「ぜひ働きたい」が 7 割弱(67.1%)。「どちらかといえば働きたい」(25.2%)も含めると 9 割を超え(計 92.3%)、海外勤務への意欲は極めて高い。一方、国内学生はそれぞれ 13.0%、25.9%で、海外勤務希望者は 4 割に満たない(計 38.9%)。
留学生が海外で働きたい理由を見ると、「よりスキルアップできるから」が 51.4%と突出して高い。次いで「将来のために勤務経験が必要だから」「より活躍できると思うから」が同率で続く(33.1%)。働くことを更なるスキル獲得の場と捉える傾向が強い様子が表れている。働いてみたい国や地域は、「北米」(69.2%)が最多で、「ヨーロッパ」(61.2%)が続く。欧米は留学先としてだけでなく、就業先としての人気も高い。一方で「東南アジア」が 4 割を超えており(41.9%)、経済成長国でキャリアを積みたいと考える留学生も少なくない。
4.就職先企業を選ぶ際に重視する点と希望する働き方
就職先企業を選ぶ際に重視する点を 30 項目から 5 つまで選んでもらい、国内学生の回答と比較した。留学生・国内学生とも「給与・待遇が良い」「将来性がある」が上位 2 位となり、留学経験にかかわらず、重視する学生が多い。
ただし、いくつかの違いも見られる。「高いスキルが身に付く」「日本以外の国で働ける」「優秀な人材が多い」といった項目は、留学生の方が大きく上回っており、自身がスキルアップできる環境を求めていることがわかる。一方、「福利厚生が充実している」「業績・財務状況が良い」「休日・休暇が多い」などの項目は、国内学生の方が上回っており、安心して働ける環境を求める学生が多いことがうかがえる。
7.企業研究をする上で知りたい情報
企業研究をする上で知りたい(知りたかった)情報について尋ねた。最も多いのは「実際の仕事内容」(55.5%)。僅差で「社内の雰囲気」(55.3%)が続く。オンラインを中心に企業研究を進める留学生が多いため、業務内容や働く環境について、より具体的な情報を求めているのだろう。
また、「採用スケジュール」(53.0%)、「採用方法やプロセス」(52.4%)も半数を超えており、留学生に特化した採用選考の有無や時期、プロセスなどについての関心も高いと考えられる。留学生を採用したい企業には様々な角度からの情報発信が求められていると言える。
【調査概要】
調査対象 : CFNに登録している【日本人留学生】のうち、卒業時期が2021年5月以降の者11,635人
調査方法 : インターネット調査法
調査期間 : 2022年2月18日~3月9日
有効回答数 : 559人
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社ディスコ /4月28日発表・同社プレスリリースより転載)