2021年1~6月実施分「昇給・ベースアップ実施状況調査結果」の概要
一般社団法人日本経済団体連合会は、2021年1~6月実施分「昇給・ベースアップ実施状況調査結果」を発表しました。
Ⅰ.調査の基本事項
調査目的:制度昇給やベースアップなど月例賃金引上げの実態と動向を把握し、今後の参考とするために 1953 年より毎年実施
調査対象:経団連企業会員および東京経営者協会会員企業 2,059 社
調査時期:2021 年6月 30 日~8月 31 日
回答状況:集計企業数 461 社(有効回答率 22.4%、製造業 49.0%、非製造業 51.0%、従業員 500 人以上 73.8%)
Ⅱ.調査結果の概要
1.賃金決定にあたって主として考慮した要素(2つ回答)
「企業業績」(63.8%)が最も多く、「世間相場」が続く傾向に変化はない。一方で、「人材確保・定着率の向上」が減少(24.1%、前年比マイナス 2.9 ポイント)し、「雇用の維持・安定」が増加(22.4%、同プラス 5.6 ポイント)するなど、若干の変化が見られた。
2.月例賃金引上げの実施状況
2014 年から 2019 年まで「昇給・ベースアップともに実施」した企業は5割超で推移してきたが、2020 年は 39.2%、2021 年は 30.9%に減少した。ただし、「昇給のみ実施」した企業が 69.1%に上っており、2014 年から8年連続で、すべての回答企業が定期昇給や賃金カーブ維持分の昇給、ベースアップなど、何らかの方法により月例賃金の増額改定を実施している。
3.月例賃金引上げ状況の推移
(1)引上げ額・率の推移
2021 年の月例賃金の引上げ額・率は 5,887 円・1.93%となり、2013 年以来8年ぶりに 6,000 円・2%を下回った。
(2)昇給・ベースアップの区別のある企業における引上げ状況
2021 年の月例賃金の引上げ額・率(6,038 円・1.96%)の内訳は、昇給が 5,672 円・1.84%、ベースアップが 366 円・0.12%であった。昇給は 5,000 円台半ばから 6,000 円台前半で推移する傾向に変わりはなく、ベア分は2年連続して 1,000 円未満、0.1%台となった。
4.月例賃金の引上げ額の分布状況
「5,000 円台」(27.3%)が前年比プラス 10.4 ポイントと増加して最も多く、次いで「4,000 円未満」(18.4%)、「6,000 円台」(16.8%)となった。また、10,000 円以上の割合は 6.8%で、前年(6.7%)とほぼ同水準となった。
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(一般社団法人日本経済団体連合会 / 1月18日発表・同法人プレスリリースより転載)