マイナビ 人材ニーズ調査
2021年の採用実績は前年より減少。一方、2022年の採用予定は全雇用形態でいずれも増加に転じる。「70歳までの就業機会確保(改正高年齢者雇用安定法)」の努力義務に関して、対応を行った企業は6割以上
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、人材採用に関して「採用実施」「手法選定」「雇用の決定」のいずれかの決裁権を持つ採用担当者(2,036名)を対象に調査した、「マイナビ 人材ニーズ調査」を発表しました。本調査は、今回で6回目となります。
《TOPICS》
- 2021年の採用実績は全体的に前年より減少し、その傾向は非正社員でより顕著に。一方、2022年の採用予定はいずれも増加に転じ、採用ニーズの回復が予想される
- 採用理由は「新卒」「中途」ともに「専門能力や技術を持つ人材の獲得」が最多に
- 2021年4月に施行された「70歳までの就業機会確保(改正高年齢者雇用安定法)」の努力義務に関して、対応を行ったのは6割以上
【調査概要】
2021年の採用実績割合は、正社員(新卒、中途)・非正社員(契約・嘱託、パート・アルバイト、派遣)のすべての雇用形態において前年より減少した。2019年からの推移では、正社員はほぼ横ばいだが、非正社員は減少している。コロナ禍前(2019年)と2021年で非正社員の採用実績割合を比較すると、「契約・嘱託」では6.1pt減、「パート・アルバイト」は8.6pt減、「派遣社員」は4.1pt減だった。一方、2022年の採用予定割合はいずれの雇用形態においても、2021年の採用実績割合より増加した。今後の新型コロナウイルスの感染状況によるが、経済活動が回復すれば、また人材ニーズも回復してくると思われる。
雇用形態別で採用の理由を見ると、「新卒」「中途」ともに、「専門能力や技術を持つ人材の獲得」が最多となった。これまで「新卒」は「事前の計画による定期的な採用」が最多だったが、徐々にその割合は低下し、「専門能力や技術を持つ人材の獲得」と逆転した。個人の専門的なスキルや能力に注目する志向が高まりつつあるようだ。しかし、「採用スタンス」を聞くと、「新卒」では「ポテンシャル重視」が最多で45.3%、「中途」では「即戦力人材を重視」が最多で59.2%となった。同じ「専門能力や技術を持つ人材」という観点でも、「新卒」は「将来的に戦力となること」が求められ、「中途」は「今、戦力である」ことが求められるようだ。
2021年4月に施行された「改正高年齢者雇用安定法」で努力義務とされた「70歳までの就業機会確保」に、どのように対応しているか聞いたところ、全体で63.1%がなんらかの対応を行ったと回答した。「70歳までの継続雇用制度の導入(自社にて継続雇用、再雇用制度含む)」が19.8%で最多、次いで、「希望するときは、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度を導入」が17.3%となっている。
【調査担当者コメント】
2021年はコロナ禍で、雇用を取り巻く環境も影響を受けましたが、同時に正社員と非正社員の不合理な待遇差を是正するための「同一労働・同一賃金」のガイドラインが適用されたり、「改正高年齢者雇用安定法」によって70歳までの雇用機会確保が努力義務になったりする、多様な人がより良い環境で働き続けるための環境整備が進んでいます。一方でジョブ型雇用の導入が検討されるなど、より個人のスキル・能力に対する期待値も高まっているように感じます。今後、働く人にとっては選択肢が広がるというメリットがある一方で、その分、自律的なキャリア形成が求められるようになると思われます。(キャリアリサーチラボ 主任研究員 東郷こずえ)
【調査概要】「マイナビ 人材ニーズ調査」
○調査対象/人材採用に関して、[採用実施]][手法選定][雇用の決定]のいずれかの決裁権を持つ採用担当者
○調査方法/WEB調査(アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社)
○調査期間/2021年12月8日(水)~12月10日(金)
○回答数/2,036名
○企業分類/上場 601名・非上場 1,435名|製造 598名・非製造1,438名
○企業規模/300人未満 1,076名・300~999人 359名・1,000人以上 601名
○回答属性/<重複あり> 各雇用形態別に決裁権を持つ方に限定して回答を集計
(新卒採用:1,090名、中途採用:1,415名、契約社員・嘱託社員:655名、パート・アルバイト:953名、派遣社員:808名)
※「派遣社員」に関しては、採用実績のある回答者を対象とした
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社マイナビ/1月13日発表・同社プレスリリースより転載)