事業承継に関する企業の意識調査(2021年8月)
後継者への移行期間、企業の半数が「3年以上」
~ 新型コロナの影響で事業承継への意識が変化した企業は8.7% ~
企業経営者の高齢化が進んでいる。また、全国の後継者不在率は2020年時点で65.1%(帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査」2020年11月発表)となり、後継者不在による事業承継問題はこれまで以上に顕在化している。他方、政府は2021年度予算に事業承継支援として100億円近くを計上し、事業承継とM&A支援をワンストップで行う体制を4月より開始した。政府主導で企業に対して積極的に働きかけるプッシュ型のサポートを中心に、支援策は一層推し進められている。
そこで、帝国データバンクは、事業承継に関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年8月調査とともに行った。
※調査期間は2021年8月18日~31日、調査対象は全国2万4,458社で、有効回答企業数は1万1,170社(回答率45.7%)。なお、事業承継に関する調査は2021年5月に続き、今回で4回目
※本調査における詳細データは景気動向オンラインに掲載している
<調査結果>
- 事業承継を行う際の後継者への移行期間を尋ねたところ、「3年以上」を要する割合は51.9%と半数超にのぼった。内訳をみると「3~5年程度」が26.9%で最も高く、「6~9年程度」が13.8%で続いた
- 後継者への移行期間を規模別にみると、3年以上かかる割合では「大企業」は41.0%だった。一方で、「中小企業」では54.1%、「小規模企業」では55.7%で高水準となり、全体の割合(51.9%)を上回った
- 後継者への移行期間を業界別にみると、3年以上かかる割合では『建設』が59.9%で最も高く、内訳の「6~9年後」「10年以上」においても同様の傾向が表れた。次いで『製造』(54.8%)、『卸売』(52.2%)が続き、一方で、『農・林・水産』(32.1%)や『金融』(23.6%)では他業界と比較すると割合は低かった
- 2020年2月以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響で社会情勢が大きく変わるなか、事業承継に対する意識に変化があったか尋ねたところ、「特に変化なし」とした企業は79.8%だった。それに対して、「事業承継の時期を前倒し」(3.5%)や「事業承継の時期を延期」(4.3%)といった「意識が変化した」企業は8.7%だった
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(株式会社帝国データバンク/9月14日発表・同社プレスリリースより転載)
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