副業に関する調査結果(企業編)
副業を容認している企業は55%。2018年比で3.8ポイント増とさらに容認進む
副業の支援は本業へのプラスの効果に影響するが、企業の過半数が何も支援しておらず課題
株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:渋谷和久)は、副業に関する調査結果(企業編)を発表いたします。本調査は、副業に関する企業・個人の実態を定量的なデータで把握するとともに、経営・人事に資する提言を行うことを目的に実施しました。
本調査結果のニュースリリースは「企業編」「個人偏」に分けてまとめており、本リリースは「企業編」となります。また、副業に関する調査は2018年の実施に続き、2回目となります(前回調査結果は2019年2月のニュースリリースで発表)。
■調査結果概要
① 自社の正社員が行う副業の容認
自社の正社員が副業を行うことを容認している企業の割合(全面容認と条件付き容認の合計)は55%。2018年の1回目の調査では同51.2%であり、3.8ポイント上昇している。
② 自社の正社員の副業を企業が容認する理由・禁止する理由
自社の正社員の副業を企業が容認する理由の1位は「従業員の収入補填」で34.3%。2位は「禁止するべきものではない」で26.9%となり、正社員の副業が一定程度一般的なものとして認識されつつある様子がうかがえる。禁止する理由の1位は「自社の業務に専念してもらいたいから」で49.7%となった。
➂ 副業者を受け入れる企業の割合
副業者(他社で雇用されている人材)を現在受け入れている企業は23.9%。現在受け入れていないが、受け入れる意向がある企業も23.9%。合計すると47.8%になり、半数近くの企業が副業者の受け入れに前向きな姿勢を示している。
※副業者の雇用形態(業務委託契約、正社員、契約社員、アルバイト・パートなど)は問わない。
④ 副業者を受け入れる企業の割合(属性別)
企業規模別にみると、従業員100人未満の中小企業と、1万人以上の大手企業で副業者(他社で働いている人材)を受け入れるようとする傾向が強い。また、設立年数が浅いほど副業者を受け入れるようとする傾向がみられる。
➄ 副業者を受け入れる理由
副業者(他社で雇用されている人材)を受け入れる理由をみると1位は「多様な人材確保が可能だから」で26.4%。しかし、企業規模別にみると、1万人以上の大手企業では多様な人材確保を理由とする割合は下がり、「新規事業の立ち上げ/推進」「新たな知識・経営資源の獲得」「オープンイノベーションの促進」など、新規事業・イノベーション関連の理由が目立つ。
⑥ 副業者の採用経路
副業者(他社で雇用されている人材)を受け入れる理由をみると「知人・社員からの紹介」が最も多く39.9%となった。次に多いのは「元社員」で22.3%。スキルの把握や信頼性の面などから、すでに知っている人材を活用しようという志向性が反映されていると推察される。
➆ 副業者の職種
すでに受け入れている、または受け入れを検討している副業者の職種で最も多かったのは「営業」で19.6%だった。次いで「ITエンジニア」の15.6%、「情報システム関連」の13.7%が続き、IT関連職種が上位に挙がっている。
⑧ 副業者受け入れの課題・問題
副業者受け入れの課題・問題について聞いたところ、最も多かったのは「労務管理が煩雑」で12%だった。次いでノウハウ等の流出、情報漏洩が続く。
■調査概要
調査名称 :パーソル総合研究所 「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」
調査内容 :
・副業に関する企業、個人の実態や意識を明らかにする。
・副業による本業へのプラスの還元を高める要因、過重労働リスクを高める要因などを明らかにする。
・企業の副業者(他社で雇用されている人材)の受け入れの実態、受入れ意向を明らかにする。
調査手法 :調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
調査時期 :2021年3月4日~3月8日
調査対象者 :
【企業調査】
勤務先従業員人数10人以上、年齢70歳未満 男女
経営層・人事(主任・リーダー以上)で人事管理(制度設計・運用等)について把握している者 n=1,500
【個人調査】
・スクリーニング対象者
勤務先従業員人数10人以上 正社員20-59歳 男女 n=34,824
※調査結果の数値は平成27年国勢調査の正規の職員・従業員性年代の構成比に合わせてウェイトバック集計実施
・本調査対象者
上記スクリーニング対象者条件に加え、副業(現金収入を伴う仕事)を現在行っている者(1ヵ月間で稼働0時間は除外) n=1,703
実施主体 :株式会社パーソル総合研究所
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社パーソル総合研究所/8月11日発表・同社プレスリリースより転載)