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ニュース
社会 教育・オピニオン
掲載日:2021/07/09

コロナ禍における働き方の実態調査

クアルトリクス合同会社(本社:東京都千代田区、カントリーマネージャー:熊代 悟、以下 クアルトリクス)は、日本で実施した「コロナ禍における働き方の実態調査」の結果(2021年4月に実施、有効回答数3,405人)を発表します。本調査は、1年以上にわたるコロナ禍が、働き方や生活にどのような変化をもたらしたのか、アフターコロナの時代に向け従業員エンゲージメントを維持・強化するために注目すべきポイントを明らかにする目的で実施されました。


【調査結果】

1.出勤と在宅勤務が併存するハイブリッド型勤務形態が定着
コロナ禍において多くの企業が導入した在宅勤務は、業務分担やチームワーク、コミュニケーションといった連携の仕方はもちろん、オフィスそのものやIT整備など物理的な職場環境にも大きな変化を与えています。コロナ禍が収束した後も、以前のような出勤が前提となる勤務形態が完全に復活することはなく、個人が勤務形態をある程度選択できるようなハイブリッド型が定着するものと考えられます。今回の調査においては、在宅勤務を行っている人々のほぼ9割は現状以上に在宅勤務を行うことを希望、完全に出勤している人々についても3割強が在宅勤務を希望しているという結果になりました。


2.業務分担、役割分担に歪み
既に在宅勤務が日常的なものとなり、従来と同様に業務を遂行できることを実感している人は少なくありません。業務時間、業務量、業務効率性などは、コロナ禍以前と比べてさほど差がない状態になっています。しかし、これを現在職場で平均を超える業績を上げている従業員(以下「ハイパフォーマー」と呼ぶ)と平均を下回る業績にとどまっている従業員(以下「ローパフォーマー」と呼ぶ)に分解した集計結果をみると、両者には顕著な差が存在することがわかります。この結果は、各従業員が目の届かない場所で、業務が集中しやすい人とそうではない人という二極化が進んでいることを示しています。同時に、権限・裁量や役割についても、これら二つのグループで認識が大きく異なり、ローパフォーマーでは自身が何をすべきかが不明確になってきた実態が浮き彫りになりました。

3.インフォーマルなコミュニケーションの機会の減少
在宅勤務においてはインフォーマルな会話の機会が減少する傾向があります。ちょっとしたことを気軽に話す機会が、コロナ禍以前と比較して減少したと感じている回答者が半数以上を占めます。特に、ローパフォーマーの回答に注目すると、減少したと感じる回答者の比率がハイパフォーマーを大幅に上回ります。手元の業務が少なくなったことで、周囲の従業員とも接点が希薄になり、組織の中で孤立しつつある可能性を意味します。もう一つ、重要な点は、会社や組織に対する帰属意識も失われつつある点です。業務およびコミュニケーション機会の縮小を背景に、会社や組織に対する距離感が拡大している従業員が存在することは注視すべきであると考えられます。

4.精神的なストレスは増加傾向
在宅勤務は、通勤や職場での難しい人間関係から解放されることで精神的なストレスを軽減するという見方もあります。しかし、今回の調査では、精神的な疲労感がコロナ禍以前よりも増したとした回答者は4割を占めました。ワクチン接種の遅れ、変異株による感染拡大、感染者数の下げ止まりなどの状況からすると当然の結果ともいえます。ここで興味深いのは、ローパフォーマーの方が、精神的なストレスの増加を感じる回答者、さらに、会社によるサポートが減少したとした回答者が多いという点です。仕事が従来よりもうまく回っていないことでストレスを感じたり、会社によるサポートの不十分さに対する失望感もその背景にあるものと考えられます。

5.今後、従業員エンゲージメントとの関係で注目すべきは、帰属意識やウェルビーイング
今回の調査においても、従業員エンゲージメントの水準は、一般に考えられる通り、ハイパフォーマーが高く、ローパフォーマーが低いという傾向が確認されました。エンゲージメントとの相関が強く表れていたテーマの一つは、組織の一員であることや、自分の居場所があることを実感しているという帰属意識です。また、肉体的・精神的・社会的に良好な状態であることを意味するウェルビーイングの一面である、自身をポジティブに捉え、働くことで活力を得たり、周囲と信頼関係を築いているという項目の相関の強さも確認されました。
これらは、在宅勤務においては、油断すれば低下することが想定される項目といえます。アフターコロナの世界でハイブリッド型の勤務形態が定着していくことを前提とすると、今後のエンゲージメントの維持・強化のために、企業にとって重要な検討テーマになることは間違いないものと考えられます。


■調査の概要について
本調査は、現在日本で働いている人を対象(性別・年代別で労働人口分布に沿って割付け)に2021年4月22日〜26日にかけて、インテージ社のアンケートモニターに対して実施されました。有効回答は3,405人、うち在宅勤務をしているとした人は1,000人でした。なお、設問設計に関しては、さんぎょうい株式会社の協力を得ています。業績を軸とした分析は、現在の個人業績に関する設問に対し、「職場の平均を超える」とした回答者をハイパフォーマー(375人)、「職場の平均を下回る」とした回答者をローパフォーマー(91人)と分類した集計結果。よって、回答者の実際の業績評価や能力に基づく分類ではないことにご留意ください。

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(クアルトリクス合同会社 /6月30日発表・同社プレスリリースより転載)

この記事ジャンル テレワーク、リモートワーク

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