2021年度新入社員の会社生活調査の結果を発表
産業能率大学 総合研究所(東京都世田谷区)は、今年入社した新入社員の就職活動、働く意欲や新社会人としての意識、将来の目標などに関するアンケートを実施し「2021年度新入社員の会社生活調査」としてまとめました。
今年度の新入社員に就職活動状況について尋ねたところ、「かなり大変だった」と「思ったより大変だった」を合わせると84%が“大変だった”と回答し、これまで最高だった就職氷河期の1995年度(77%)を超えて、過去最高となりました。この背景には、「説明会などの中止や延期」(55%)や「他の学生の動向が不明」(51%)といったコロナ禍の影響が見受けられます。
また、多くの企業でオンライン面接が実施されましたが、オンラインと対面で、どちらがやりやすいかを訊くと「対面」(63%)が「オンライン」(18%)を大きく上回っています。さらにコロナ禍が続くことで、入社後に最も不安や不満を感じることを訊くと、「感染リスクから通勤電車が怖い」(38%)が一番多く挙げられました。続いて「ОJTなどの教育が受けられず仕事を覚えるのに時間がかかる」(16%)となっています。
会社にテレワークや時差出勤の制度があった場合に利用したいかを尋ねたところ、テレワークについて「利用したい」と「どちらかといえば利用したい」を合わせて78%が“利用したい”と回答しました。その理由として「通勤電車の密を避けられるから」が54%で一番多くなっています。また、時差出勤についても両回答を合わせて84%が利用したいとしています。副業については73%が“利用したい”と回答しました。その理由として「将来のための貯蓄」が64%となり、2位の「趣味」、「生活費」(同率31%)を大きく引き離しています。
将来のキャリアをどう考えているかについては、“(役職に就かない)エキスパート志向”が過去最高の54%で“管理職志向”(37%)を大きく上回りました。また、最終的に目標とする役職・地位には「関心がない」とする回答も16年ぶりに51%と半数を超えました。さらに1か月間に許容できる残業時間を尋ねたところ、「1~10時間」が23%、「11~20時間」が36%となり、いずれも過去最高となりました。この結果、「0時間」(2%)を含めた“20時間まで”許容するとの回答が初めて6割を超えました。
将来支給される公的年金(国民年金・厚生年金等)を老後の収入として期待しているかについて尋ねたところ、「期待していない」(38%)と「どちらかといえば期待していない」(27%)を合わせて65%が“期待していない”と回答しました。前出の副業を利用したいとする最大の理由が「将来の貯蓄のため」であったことからも、将来への不安感が垣間見えます。
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(産業能率大学 総合研究所 / 7月2日発表・同法人プレスリリースより転載)