「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」調査結果
東京23区内中小企業のテレワーク実施率は38.4%。全ての企業規模・業種で実施率が低下傾向
東京商工会議所(三村明夫会頭)は、東商けいきょう(2021年4月~6月期)調査とあわせ、中小企業におけるテレワークの実施状況や課題などを把握するため、標記アンケートを実施し、調査結果をとりまとめましたので、お知らせします。
【「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」調査要領】
▽調査期間:2021年5月17日(月)~5月27日(木)
▽調査対象:東京23区の中小企業2,090社(回答数:662社(回答率31.7%)
※過去公表したテレワーク調査(2020年4月8日、6月17日、11月4日、2021年2月25日発表)とは標本が異なり厳密には両者の単純比較ができません。
【 調査結果のポイント 】
1.テレワークの実施率(企業ベース)について
- 2021年5月の緊急事態宣言下における東京23区内の中小企業のテレワークの実施率は38.4%。(前回緊急事態宣言時(2021年1月~3月)に比べ、27.8ポイント減少)
- 企業規模(従業員数)別では、従業員301人以上が最も高く64.5% となり、50人以下が最も少なく29.8%と企業規模が小さい(従業員数が少ない)企業ほど実施率が低い結果となった。
- 業種別では、前回緊急事態宣言時と比較し、すべての業種で実施率が低下。卸売業は、32.1ポイント減少し、最大の下げ幅となった。
2.テレワークを実施している社員の割合について
- テレワークを実施している社員の割合は、20%以下が52.4%と最も多く、前回緊急事態宣言時と比べ22.6ポイント増加した。
3.テレワーク実施の課題について
- テレワークを実施する上での課題は、「情報セキュリティ」が56.7%で最も多く、次いで「社内コミュニケーション」が55.9%、「PCや通信環境の整備状況」が55.1 %となった。
4.今回非実施企業の前回緊急事態宣言期間中のテレワーク実施状況について
- 今回調査でテレワークを実施していない企業のうち87.3%が、前回の緊急事態宣言時にもテレワークを実施していなかった。
5.テレワークを実施できない理由について
- テレワークを実施できない理由は、「テレワーク可能な業務がない」が64.7%で最多となった。次いで「生産性の低下」が24.0%、「PCや通信環境の整備状況」が19.6%、「取引先とのコミュニケーション」が18.9%、「社内コミュニケーション」が15.4%となった。「PCや通信環境の整備状況」は前回緊急事態宣言時と比べ14.6ポイント減となった。
<企業の声>
- 2020年4月の緊急事態宣言発令後、すぐにテレワークを導入したが、最近は売上が回復し業務量が増大していて、出社した社員に業務が集中し残業が増えていた。2021年5月の緊急事態宣言が延長されたタイミングで、テレワークの実施をやめた。【製造業/51人以上100人以下】
- 服の生地を扱っており、営業をする際に生地の肌触り、色、重さなどは実際に見せながらでないと顧客に訴求できず、営業活動の推進の阻害となっていたためテレワークの実施をやめた。【卸売業/50人以下】
【本件担当・問い合わせ先】
東京商工会議所
中小企業部
担当 松浦・大田・黒田・長嶋
TEL 03-3283-7643
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(東京商工会議所/6月16日発表・同会議所プレスリリースより転載)
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テレワーク、リモートワーク