障がい者雇用の実態調査
総合人材サービスのマンパワーグループ株式会社 (本社・東京都港区、代表取締役社長:池田 匡弥、以下マンパワーグループ)は、民間企業の人事担当者400名を対象に、「障がい者雇用の実態調査」を実施、本日結果を発表します。
<障がい者雇用の実態調査」実施の背景>
民間企業の障がい者雇用の法定雇用率は、2021年3月に2.2%から2.3%へ引き上げられました。これにより、障がい者の雇用義務が発生する企業も、従業員数(パート・アルバイトなど含む常時雇用)45.5名以上の事業主から43.5名以上へと広がりました。マンパワーグループは、企業の持続的な障がい者雇用支援を目的とした「障がい者雇用の実態調査」を実施しました。
※1 「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」より
※2 障害者雇用率の計算方法は「常時雇用する労働者数」×「障害者雇用率」であり、その際、パートなど短時間労働者は一人あたり、0.5人としてカウントします
■障がい者雇用の課題:1位は「受け入れ態勢が不十分で採用できる人が限られている」
障がい者採用の課題について聞いてみたところ、「受け入れ態勢が不十分で採用できる人が限られている」(37.3%)、「お願いできる業務がない、もしくは、わからない」(30.5%)が上位を占めました。
従業員規模で見ると、「採用基準をどう設定していいかわからない」(21.3%)、異動や昇給、評価制度など「採用後の人事制度をどうすればいいかわからない」(13.5%)については、従業員規模が大きい企業ほど課題とする割合が高くなっていました。法制度への対応は規模の大きな企業から導入を進めていく傾向があるため、今後、障がい者雇用が広く浸透していく過程で、多くの企業が抱える課題となることが予想されます。
■障がいのある従業員が担っている職種・分野:上位は「事務」「軽作業」
障がいのある従業員が担っている職種や分野について聞いたところ、「事務」(48.3%)が最も多く、「軽作業」(37.5%)が続く結果となりました。3位以降は「製造・技能」(12.8%)、「ITエンジニア」(9.3%)、「サービス」(9.3%)といった、専門的な職種・分野が続きます。
職種や配置については、「本人の能力に応じて職種を決める」(女性・49歳)、「障がいの度合いや種別によるが、本人が可能な職種への配置」(男性・54歳)、「ミスをしてもカバーできる仕事を任せている」(女性・26歳)などの考え方をベースとする傾向があるようです。また、「現在は、軽作業や単純作業が多いが、能力に応じて職の幅を広げなければと思う」(女性・34歳)、「障がい者が営業として実際にサービスを行い、一般消費者と触れ合うことで、双方の障がい者雇用に対する意識が高まると考えている」(男性・30歳)などの声もありました。
■障がいのある従業員への理解を高めるための取り組み:全体の3割超が「やっている」と回答
障がいのある従業員への理解を高めるために、社内で取り組みを行っているか聞いたところ、全体の3割超が「やっている」(33.3%)と回答しています。「これからやる予定」(14.8%)を含めると、半数近くが前向きな姿勢であることがわかりました。
従業員規模で実施予定を含めた割合を見ると、「501人以上」の企業では全体の7割近く、「101人以上、500人以下」の企業では5割近くが積極的に取り組んでいます。一方、「100人以下」の企業では約2割という結果となり、従業員規模によって、取り組みの積極性に差異があるようです。
<調査結果から>
今回の調査では、障がいのある従業員が担っている職種や分野の上位は、「事務」「軽作業」であることがわかりました。また、理解を高める取り組みについては、実施予定を含めると半数近くにのぼるという前向きな状況にあることもわかりました。
しかし、障がい者採用における課題では、全体の約4割が「受け入れ態勢が不十分で、採用できる人が限られている」と回答しています。積極的に取り組んでいる大規模企業で顕在化しているこの課題は、今後、障がい者雇用が広く推進されていくうちに、いずれ中小規模の企業が抱える課題となりそうです。
【調査概要】
調査時期:2021年1月14日~18日
調査対象:企業の人事担当者を務める20代~50代の男女
有効回答:400名
調査方法:インターネット調査
【本件に関するお問い合わせ先】
マンパワーグループ株式会社 広報室
TEL:03-4531-2937 kouhou@manpowergroup.jp
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(マンパワーグループ株式会社 / 4月7日発表・同社プレスリリースより転載)