【若手社員意識調査】働く理由を明確に「持たない」が9割、コロナで価値観が揺らぐ若手が半数越え
リ・カレント株式会社は、COVID-19の影響が若手の仕事・キャリアの考え方にもたらす影響について、2020年度の新入社員を中心とした「2020年度最新若手意識調査」を実施しました。
これからの時代の若手育成に何が求められていくのか、企業の人材育成に関わる方々に参考情報としてご覧いただけるよう、調査結果をレポートとして公開致します。
◆調査概要
・調査対象:全国の20代 若手社員1000名
・調査方法:選択回答及び自由回答式インターネット調査
若手調査結果・サマリー 20代働く若手の本音
1.働く理由を明確に「持たない」が9割
「自分は何のために働くのか(仕事観)」「どのように働き続けたいか(キャリア観)」:「明確な形で持っている」は1割に満たず。理由として、「そういったことを考える機会がない・必要性を感じない」が多数挙げられた。
2.職場での「喜ばれたい」「認められたい」貢献・承認欲求が7割超え
「人と働く」について:「一緒に働く人の役に立ちたい・喜んでもらいたい」が約4割。「認めてもらいたい」という回答と合わせると7割を超えた。リモート環境・外出自粛などの抑圧から、他者に対する貢献欲求・承認欲求が強まっていることの表れか。
3.コロナで仕事についての価値観が揺らぐ若手、半数越え
新型コロナウィルスの感染拡大について:「自身の仕事観・キャリア間が大幅/部分的に変化した」と半数以上が回答。従事する仕事が社会に与える影響や、所属組織の危機対応を受け、仕事やキャリアの捉え方が大きく揺れている傾向か。
本調査では、全国の20代1000名を広く回答者とし、仕事・キャリアに対する考え方やその理由を問うた全16設問のうちから、選択回答式をとった14設問の回答結果を示しています。高校卒・専門卒・短期大学卒・4年制大学卒・大学院卒の回答者を「働く若手社員」と定義し、回答者全体と比較して示しています。
■全体を通して
仕事観=自分はなんのために働くのか(仕事において譲れないもの・価値観)・キャリア観の有無とその回答理由を問うパートでは、回答者全体・働く若手社員を通じて「誰かに語れる明確な形で持っている」という回答は1割弱に留まりました。また、「持っていない」「固まっていない」という回答の理由として、「(仕事観・キャリア観とは何か)そもそもよくわからない」「考える必要性を感じない」が多く選ばれています。
働く20代の学生時代では、キャリア教育が拡充され、就職活動においても価値観やキャリアイメージの自己分析が推奨されていますが、自身が何のために働くのか・どのように働きつづけていくのか、自分ごととして実感を得られている若手の割合は非常に限られていることが読み取れます。
より具体的な仕事観のあらわれとして、仕事の報酬について問う設問では、「時間拘束に対して報酬は支払われる」という回答が最も多くなり、「成果に対して支払われている」と答えた人は全体で16.4%、働く若手社員では10.1%と1割近くに留まりました。一方、人と働くことについての考え方を聞くと、「一緒に働く人に対しては役に立ちたい・喜んでもらいたい」「自分のことを認めてもらいたい」が合わせて全体の7割近くとなり、働く20代が強い貢献欲求・承認欲求を持っていることがわかります。
職場において自分の取りうる行動とその理由を問う設問では、職場の人とのコミュニケーションよりも「プライベートの予定を優先する」が強く傾向として表れています。また、先輩や上司といった近しい場所で働く人の考えや意向を敏感にくみ取って行動する様子が表れ、彼らが近しい人との関係性に、仕事における判断やモチベーションを強く結びつけていることが読み取れます。
新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大が回答者の仕事観・キャリア観にもたらした変化の有無と、その回答理由を問う設問では、約半数が「変化した/部分的に変化があった」と回答しました。
一部フリーコメントでは「この先また何が起きるかわからない世の中なので、狭い視野に囚われず、働きやすいとはどういうことか考えなければならないのですが、なかなか難しく、判別できる能力もないのでもやもやしています」「なにか社会を大きく揺るがす出来事が起こったときに、なにができる会社、仕事なのかを考えるようになった」といった声が寄せられました。
人生100年時代のキャリアを生きる彼らが軸を持って活躍していくためには、「なんのために働くのか」「どのように働き続けるのか」を問い直し言語化する支援が、これまで以上に必要になるといえるでしょう。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(リ・カレント株式会社 / 6月12日発表・同社プレスリリースより転載)