同一労働同一賃金企業の取り組みに関するアンケート調査結果
株式会社新経営サービス 人事戦略研究所では、弊社サイト「同一労働同一賃金.com」の利用者を対象に「同一労働同一賃金に関する企業の取り組み実態」について調査を行い、347社からの回答をとりまとめました。
~法改正による人件費上昇は必至。先行き不安の中、迫られる各社の対応~
来月4月1日からの法改正を前に、直前の企業対応状況が出ました。やはり大企業においては、4月までに導入予定が約9割と、滑り込みでの対応となりそうです。中小企業は1年間猶予期間があるため、来年2021年4月までに対応する会社が大多数となっています。
インターネット上などでは、「同一労働同一賃金なんて、どうせ正社員の待遇が引き下げられるだけだろう」といった懐疑的な意見も少なくありませんでした。しかし、一方的な労働条件の不利益変更が簡単に行えるはずもなく、今回のアンケート結果も、一定水準の人件費上昇を見込む企業が多数となりました。
ただし、非正規社員比率の高いホテル、レジャー、外食産業がとりわけ、新型コロナウイルスの影響で、軒並み深刻な売上減少を強いられています。
売上減少のタイミングに、人件費増を伴う同一労働同一賃金対応が重なりますので、急きょ対応方針を見直す企業が出てくるかもしれません。
正社員・非正規社員間における、家族手当や賞与・退職金の格差是正を訴えた、いくつかの重要裁判も、まだ最高裁判決待ちの状態です。この結果次第では、今回導入済みと回答した大企業であっても、更なる追加対応を迫られる可能性があります。
<結果の概況>
- 大企業と中小企業比較では、(法改正に向けた)「取組状況」について、大企業では「すでに導入済みである」「2020年4月に導入予定」と答えた企業が全体の90.2%、中小企業では13.8%となっている。法改正に1年の猶予期間がある中小企業では「2021年4月までに導入予定」と答えた企業が64.6%と大半を占める。
- 業種別比較では、「処遇改善方法」について「正社員、非正規社員ともに全体を見直した」と答えた企業が、製造業22.5%、卸売業20.8%、小売業・飲食店34.8%、サービス業26.6%となっており、小売業・飲食店、サービス業において相対的に高い数値を示している。
- また「人件費への影響度」については、「大きく上昇する」と答えた企業が、製造業9.0%、卸売業0.0%、小売業・飲食店30.4%、サービス業5.5%となっており、比較的非正規社員比率の高い小売業・飲食店で、人件費が大きく上昇する見込みである企業が3割を占める。
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◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社新経営サービス 人事戦略研究所 / 3月19日発表・同社プレスリリースより転載)