「中小企業の経営課題に関するアンケート結果」について
東京商工会議所(三村明夫会頭)は、中小企業委員会(大久保秀夫副会頭、フォーバル会長)において、標記調査結果を取りまとめましたのでお知らせします。
中小企業委員会では、 会員企業の経営実態に即した支援策の実現を目指し、例年、「中小企業施策に関する要望」を国、東京都をはじめ、関係各方面に提出しています。本調査は、中小企業が抱える経営課題を「売上」や「経営資源」等の視点から検証し、要望事項の取りまとめに供するため当所会員中小企業・小規模事業者を対象に実施したものです。
【 調査結果の主なポイント 】
【経営状況・事業の見通しについて】
・黒字企業の割合は56.2%と昨年を下回り、過去5年間で最も低い。業種別では製造業・小売業の低下が顕著。
【売上と事業コストについて】
・売上高が増加した割合は40.6%と、昨年を2.8ポイント下回った。「販売・受注量」の増加割合は減少。一方、「販売・受注単価」は4年前から「上昇」傾向が続く。
【経営資源(金融)について】
・「経営者保証に関するガイドライン」の認知度は約6割と昨年よりも増加。「民間金融機関からの説明」についても、「説明がなかった」が44.3%と昨年よりも減少。
【経営資源(働き方改革への対応・外国人材の活用状況】
・「年次有給休暇の取得義務化」ならびに「時間外労働の上限規制」について、「対応済・対応の目途が付いている」と回答した企業はいずれも7割未満。
・「外国人材の活用状況」は、15.8%の企業が「雇用している」と回答。特に飲食業では33.3%の企業が「雇用している」と回答。
【大企業との取引】
・取引に何らかの課題を感じている企業は46.7%。項目別では「手形・売掛金の支払サイトが長い」(18.2%)が最も多く、「コスト転嫁等を理由とする値上げが認められない」(15.7%)、「大企業の働き方改革による影響」(13.6%)と続く。
【ITの利活用】
・活用状況は55.7%と、昨年に比べ4.4ポイント増加。経営者年齢別では、年代が上がるにつれ活用割合が下がる。
【事業承継】
・抜本拡充された事業承継税制について、「改正・内容ともに知っている」は24%。利用する際に3年以内に提出が必要な特例承継計画の申請については、「未定」が37.5%。
・M&A(第三者承継)へのイメージは、約5割が「良い手段だと思う」と回答。
・自社株式評価については、約4割が「評価したことがない」と回答。従業員規模別では、小規模ほど少ない結果となった一方、従業員100人超の企業でも10社に1社が「評価したことがない」と回答。
【調査概要】
対 象:当商工会議所会員企業の中小・小規模企業8,525社
期 間:2019年9月20日~10月11日
回答数:1,507社(回収率17.7%)(うち小規模企業者 651社 (43.2%))
【本件担当・問い合わせ先】
東京商工会議所
中小企業部
担当 霜島、菅原、大山
TEL 03-3283-7724
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(東京商工会議所/1月9日発表・同所プレスリリースより転載)