雇用人員の過不足で、正社員で6割が不足と回答~『人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査(企業調査・労働者調査)』:労働政策研究・研修機構
独立行政法人 労働政策研究・研修機構は「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査(企業調査・労働者調査)」結果を発表しました。
■調査結果のポイント
<企業調査:雇用人員の過不足で、正社員で6割が不足と回答。正社員では「現場の技能労働者」の不足が67.5%でトップ>
企業調査から、正社員の過不足状況(「該当者なし」及び無回答を除く)を見ると、「不足・計」(「大いに不足」「やや不足」の合計)の割合は64.6%。これを、人材の種類ごとに「該当者なし」及び無回答を除き集計し、各種人材がいる企業での「不足・計」の割合をみると、「現場の技能労働者」の不足が67.5%でもっとも高く、次いで、「研究開発等を支える高度人材」(64.6%)、「システム・アプリケーション等を開発する専門人材」(56.6%)などとなっている。
<企業調査:人手不足の会社経営への影響、「既存事業の運営への支障」「技術・ノウハウの伝承の困難化」「既存事業における新規需要増加への対応不可」が上位>
企業調査から、「従業員不足企業」(従業員全体に関して、「大いに不足」「やや不足」と回答した企業)のうち、「会社経営への影響がある・ありうる」とする企業に具体的な影響を聞いたところ、「既存事業の運営への支障(対応遅れやミスの発生、財・サービスの品質の低下、クレームの増加など)」が42.2%ともっとも多く、次いで、「技術・ノウハウの伝承の困難化(後継者の確保・育成がおぼつかない)」(39.4%)、「既存事業における新規需要増加への対応不可(受注や営業時間の延長の見送り・先送りなど)」(33.5%)、「余力以上の人件費の高騰(求人募集賃金の上昇、既存従業員の処遇改善の影響など)」(26.7%)などとなっている。
<正社員調査:人手不足の職場への影響、労働時間の増加、従業員の働き方や意欲低下が上位>
正社員調査では、「職場で雇用人員が不足しているとする者」で、「職場環境への影響がある・ありうる」とする者に具体的な影響を聞いたところ、「残業時間の増加、休暇取得数の減少」があるとする割合が85.8%ともっとも高く、次いで、「従業員の働きがいや意欲の低下」(78.4%)、「離職者の増加」(75.9%)、「能力開発機会の減少」(75.0%)、「将来不安の高まりやキャリア展望の不透明化」(72.9%)などとなっている。
<企業調査:働き方改革「行っている」が6割弱。働き方関連法の施行準備は7割が実施。施行対応できていない企業の理由は、「日々の業務遂行で精一杯」「有効な取組方法がわからない」が上位>
企業調査では、働き方改革を目的とする取組について、「行っている」とするのは57.1%となっており、6割弱が働き方改革を行っている。一方、働き方改革関連法の施行に対応するための準備については、「進めている」が71.5%に及ぶ。働き方改革関連法の施行に対応するための準備を進めていない企業の「対応するための準備を進めていない理由」では、「日々の業務遂行で精一杯のため」が43.5%ともっとも多く、次いで、「有効な取組方法が分からないため」(36.2%)、「ノウハウを持つ人材がいないため」(24.6%)などとなっている。
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 https://www.jil.go.jp/index.html /9月18日発表・同法人プレスリリースより転載)