新人研修の現場を観察し分析した組織エスノグラフィー~『辞める研修 辞めない研修――新人育成の組織エスノグラフィー』(田中研之輔・山本和輝:著)ハーベスト社より刊行
ハーベスト社は、田中研之輔・山本和輝:著『辞める研修 辞めない研修――新人育成の組織エスノグラフィー』を刊行しました。
■内容紹介
本書は、新人研修の現場を観察し分析した組織エスノグラフィーである。組織エスノグラフィーの手法を用いて、いま、新人研修の場で何が起きているのか、現場の声に耳を傾けていく。そのため本書はこの誰にでも身近な新人研修の実態について、当事者の内部からの視点から、理想を語る外の世界の欲望を押し殺し、現場のやり取りにこだわる。
働く職場のエスノグラフィーは、まだまだ、未開の領野である。そもそも、観察者としてどのようなポジションで現場とかかわりを持つことができるのか。そこに教科書的な正解はない。それぞれのケースに即して、アプローチ方法は柔軟に適応させていけばいい。
ただし、現場に何らかの問題があり、それが当事者たちだけでは気が付かないようなイシューであれば、エスノグラフィックな視点こそが、何らかの気づきを現場にもたらしてくれる。
そうした点からも、エスノグラフィー自体、アカデミシャンと現場の人を橋渡しする内容でなければならない。現場の問題を浮かび上がらせ、エスノグラフィーにまとめ、アカデミックの内輪世界にとどめておくのであるならば、現場の問題は何ら解決しない。
だからこそ、本書は人事担当者を主な読者として想定した。本書が、新人研修に携わる担当者のみならず、企業で働く一人でも多くの社会人に手に取ってもらいたい。そして、現場から忌憚のないフィードバックを頂きたい。それこそ、元来、組織エスノグラフィーという社会調査法に託されていた使命だと思う。
■本書の概要
辞める研修 辞めない研修――新人育成の組織エスノグラフィー
著者:田中研之輔・山本和輝
定価:本体1,400円+税
発売日:2019年3月6日
ISBN:9784863391062
ページ数:230ページ
判型:46判
発行:ハーベスト社
■目次(抜粋)
はじめに
第一章 思考、態度、コミュニケーションの矯正
第二章 研修トレーナーの統括責務
第三章 ネガティブ・フィードバックの真意
第四章 「ぬるい研修」で人は育つのか
第五章 研修生の不満に耳を傾ける
第六章 自己マネジメントできる人材の育成
おわりに
補論 新人研修に関する視座
■著者プロフィール
田中研之輔 (たなか けんのすけ)
法政大学キャリアデザイン学部教授
1976年生まれ。博士(社会学)。
一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員をつとめる。2008年に帰国。
専攻は社会学、ライフキャリア論、社会調査法。
著書に『先生は教えてくれない大学のトリセツ』(ちくまプリマー新書)、『先生は教えてくれない就活のトリセツ』(ちくまプリマー新書)、『ルポ 不法移民』(岩波新書)、『覚醒せよ、わが身体。』(ハーベスト社)、『丼家の経営』(法律文化社)、『都市に刻む軌跡』(新曜社)、『走らないトヨタ』(法律文化社)他多数。
訳書に『ボディ&ソウル』(新曜社)、『ストリートのコード』(ハーベスト社)がある。
新著に『教授だから知っている大学入試のトリセツ』(ちくまプリマー新書)。
山本和輝 (やまもと かずき)
デジタルハリウッド大学非常勤講師
1988年生まれ。修士(キャリアデザイン学)。
法政大学キャリアデザイン学部卒業後、IT企業に営業職として務める。業務の傍ら、法政大学大学院キャリアデザイン学専攻修士課程を経て、デジタルハリウッド大学で現代社会学と社会経済学を教える。
専攻はキャリアデザイン学、フィールドワーク。
論文に「パチンコホールの労働世界」『生涯学習とキャリアデザイン』。
◆書籍の詳細は、こちらをご覧ください。
(ハーベスト社 http://www.harvest-sha.co.jp/ / 2月発表)