同一労働同一賃金への対応 自社に合った制度を見直すきっかけに
2020年4月から、企業には同一労働同一賃金が順次適用される。厚生労働省は社内の制度を見直す際の指針を公表しており、施行前に対策を取る企業が増えている。
日本通運は今年4月から、同じ条件で働く正社員と非正規社員の待遇格差をなくす。具体的には、都道府県などの単位で置く支店にフルタイムで勤務している非正規社員の賃金形態を、同じ支店に勤める正社員と同じものにする。(日本経済新聞より)
阪急バスは、これまで契約社員期間を経て正社員に登用していたバス運転士を、今年4月以降、はじめから正社員として採用する。現在、契約社員として勤務する運転士約140人は、4月1日付で正社員に登用する。人手不足が深刻化する中、継続的に人材を確保する狙いもある。
帝国データバンクが昨年10月に全国2万3076社を対象に実施した「人手不足に対する企業の動向調査」によると、正社員が不足している企業は52.5%に上る。人材の囲い込みも視野に入れた同一労働同一賃金への対策は、今後も法律施行に先立って進みそうだ。
同一労働同一賃金が適用されるまで残り1年あまり。企業は場当たり的に対応するのではなく、社員が力を発揮できる雇用や賃金形態を考える機会と捉え、納得が得られる改革を行うことが求められるだろう。
(『日本の人事部』編集部)