2017年度の人材ビジネス主要3業界市場は6兆7,143億円。前年度に引き続き20%増を超えるプラス成長を確保~『人材ビジネスの現状と展望 2018年版』:矢野経済研究所
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内人材ビジネス市場を調査し、サービス別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
2017年度の人材ビジネス主要3業界(人材派遣業、人材紹介業、再就職支援業)の市場規模は事業者売上高ベースで前年度比23.5%増の6兆7,143億円、業務特化型6業界(技術者派遣ビジネス、営業・販売支援人材ビジネス、ネット転職情報サービス、アルバイト・パート・派遣求人情報サービス、製造派遣・請負ビジネス、医療人材サービス)の市場規模は同13.0%増の3兆7,280億円であった。好況期にサービス需要が縮小する再就職支援業市場を除く8業界がマーケットを拡大しており、特に、「人材派遣業」「人材紹介業」「技術者派遣ビジネス」「ネット転職情報サービス」「製造派遣・請負ビジネス」の各市場は前年度比で二桁のプラス成長を確保している。
2.注目トピック
女性、シニアを対象とした人材強化
近年、人材ビジネスの市場拡大を阻害する最大要因となっているのが慢性的な人材不足である。特に若年層の確保は事業者間において熾烈を極めており、もはや若年層においては必要人材が確保できない状況である。 そうした中で、女性やシニアを対象とした人材確保に力を注ぐ事業者が増えており、こうした人材が働きやすい環境づくり、いわゆるスキマ時間に働けるような時短就業などが行われるようになるなど、フルタイム(常勤)以外の人材の利活用により人材不足を補う動きが活発化している。
3.将来展望
2018年度の人材ビジネス主要3業界(人材派遣業、人材紹介業、再就職支援業)の市場規模は事業者売上高ベースで前年度比11.1%増の7兆4,571億円、業務特化型6業界(技術者派遣ビジネス、営業・販売支援人材ビジネス、ネット転職情報サービス、アルバイト・パート・派遣求人情報サービス、製造派遣・請負ビジネス、医療人材サービス)の市場規模は同10.3%増の4兆1,130億円を予測する。
人材関連サービスはこれまでも景気や法規制によりビジネスのあり様が大きく変わってきた経緯があるが、現在議論されている働き方改革関連法の運用内容や単純労働分野への外国人労働者受け入れの方向性がどのように示されるかなどにより将来展望が大きく変化する可能性がある。
一方で、国内の就労人口の減少が増加に転じる可能性は中長期的にみても極めて低いことから、概して一般企業(ユーザー企業)による人材の正社員化や雇用調整手段としての有期雇用人材の利活用は今後も拡大していくものとみる。
<調査要綱>
1.調査期間:2018年7月~9月
2.調査対象:オフィスワークを中心とした人材派遣事業者、ホワイトカラー職種の人材紹介事業者、再就職支援事業者、技術者派遣ビジネス事業者、営業・販売支援人材ビジネス事業者、求人情報サービス事業者、製造派遣・請負ビジネス事業者、医療人材サービス事業者等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、郵送によるヒアリング、文献調査併用
<お問い合わせ先>
部署:マーケティング本部 広報チーム
住所:〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
電話番号:03-5371-6912
メールアドレス:press@yano.co.jp
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(株式会社矢野経済研究所 https://www.yano.co.jp/ /11月20日発表・同社プレスリリースより転載)