採用時の最低時給は975円、最低賃金を101円上回る。企業の8割で賃上げ実施に加え、4割超で給与体系見直し~最低賃金改定に関する企業の意識調査(2018年):帝国データバンク
2018年10月1日~中旬にかけて、最低賃金が改定される。2018年度の最低賃金の改定は、政府が「未来投資戦略2018」(成長戦略)や「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太の方針)などで、年率3%を目途として、全国加重平均1,000円を目指すなかで、最低賃金が時給で決まるようになった2002年度以降で最高額の引き上げ額となった。そのため、収入増加による消費活性化などが期待される一方で、人件費上昇による企業収益の悪化などが懸念されている 。(※1)
そこで、帝国データバンクは、最低賃金の引き上げに関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2018年9月調査とともに行った。なお、最低賃金改定に関する調査は、2007年10月調査、2016年9月調査に続き3回目。
・調査期間は2018年9月13日~9月30日、調査対象は全国2万3,101社で、有効回答企業数は9,746社(回答率42.2%)
・本調査における詳細データは景気動向調査専用HPに掲載している
(※1)最低賃金制度とは、国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金以上の賃金を労働者に支払わなければならないとされている制度。改定後の最低賃金は全国平均で2017年度より26円引き上げられ874円に、地域別では都道府県ごとに24~27円引き上げられ時給761~985円となる(産業別最低賃金等は別途定められる)。
■調査結果
1.最低賃金の改定を受けて自社の給与体系を「見直した(検討している)」企業は44.0%。「見直していない(検討していない)」は40.0%。2016年9月時点と比較して、「見直した」企業の割合は9.0ポイント増と、最低賃金改定が従来よりも給与体系を見直すきっかけとなっている
2.採用時で最も低い時給は約975円で最低賃金の全体平均874円より101円高い。業界別では『サービス』『建設』『不動産』、都道府県別では「東京都」「神奈川県」「大阪府」が1,000円台
3.今回の最低賃金の引き上げ額について、「妥当」が43.8%で最も多い。「低い」(15.2%)および「高い」(13.7%)を大きく上回る。ただし、消費回復への効果については、「ない」とする企業が54.6%で半数を超え、「ある」と考える企業は9.0%にとどまる
4.企業の83.1%で2018年度の賃上げを実施。賃上げを行っていない企業は12.0%にとどまる。内容は「定期昇給」が62.2%で最も多く、「賞与(一時金)」(36.4%)や「ベースアップ」(33.4%)は3社に1社で実施
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<お問い合わせ先>
株式会社帝国データバンク データソリューション企画部 産業データ分析課
TEL: 03-5775-3163 E-mail: keiki@mail.tdb.co.jp
本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/index.html/10月15日発表・同社プレスリリースより転載)