企業が導入している施策では「健康管理」「休暇制度」「慶弔災害」に関連する項目が上位。従業員が特に必要性が高いと思う制度・施策は「人間ドック受診の補助」「慶弔休暇制度」~『企業における福利厚生施策の実態に関する調査』:労働政策研究・研修機構
独立行政法人 労働政策研究・研修機構は「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」を発表しました。
■調査結果のポイント
[福利厚生制度・施策の実施状況]
<企業が導入している施策では、「慶弔休暇制度」(90.7%)、「慶弔見舞金制度」(86.5%)の割合が高く、上位には「健康管理」、「休暇制度」、「慶弔災害」などに関連する項目>
・企業に福利厚生施策の有無を尋ねると、40%以上が「ある」と答えた項目には、「健康管理」(「人間ドック受診の補助」44.6%など)、「休暇制度」(「慶弔休暇制度」90.7%、「病気休職制度」62.1%など)に関するものがあがった。また、伝統的な施策では、「慶弔災害」「住宅」「余暇活動」に関する項目があげられた。
・施策が「ある」と答えた企業がその施策を非正規従業員に適用しているかをみると、「適用している」割合が高いのは、「食事」「健康管理」「休暇制度」「自己啓発」「慶弔災害」「余暇活動」「働き方」に関する項目となっている。
[福利厚生制度・施策の目的]
<従業員の確保・定着や意欲向上を福利厚生制度・施策の目的とする企業が多数>
・福利厚生制度・施策の目的として、「従業員の定着」、「人材の確保」、「従業員の仕事に対する意欲の向上」を半数以上の企業が選択している。
[アウトソーシング・カフェテリアプランの実施・導入状況]
・アウトソーシング実施企業は全体の15.0%、カフェテリアプラン導入企業は1.3%に留まる。どちらも企業規模が大きくなるほど実施・導入の割合が高い。
[従業員が「特に必要性が高いと思う」制度・施策]
<2割以上の従業員が「人間ドック受診の補助」、「慶弔休暇制度」をあげる>
・従業員が、特に必要性が高いとした項目は(複数回答)、「人間ドック受診の補助」(21.8%)、「慶弔休暇制度」(20.0%)など。10%以上の回答があった項目は、「両立支援」「労働時間」に関連するものが多い。
■調査概要
「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」 企業/従業員アンケート調査
○調査の趣旨・目的
勤労者の福利厚生については、非正規雇用労働者の増加など就業構造が変化するなか、各企業が様々な取組みを重ねている。そこで、企業における福利厚生制度・施策の現状や従業員のニーズなどを探るため、アンケート調査を実施した。本調査は厚生労働省雇用環境・均等局 勤労者生活課勤労者福祉事業室からの要請により実施したものである。
○調査名:「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」
○調査対象
平成26(2014)年経済センサス基礎調査(確報)の企業分布に従い、東京商工リサーチの企業情報データベースから、産業・規模別に層化無作為抽出した、全国の10人以上規模の民間企業1万2000 社(農林漁業、鉱業を除いた15大産業)と、そこで働く従業員(※)約5万4000人(従業員票は企業規模に応じ、1社あたり30人未満3枚、30~99人6枚、100~299人9枚、300人以上 12枚をそれぞれ配分)
○調査方法および実施時期
方法:郵送による調査票の配付・回収
時期:2017年10月28日~12月20日
○有効回収数:
◆企業 2,809社/有効回答率 23.4%
◆従業員 8,298人/有効回答率 15.4%
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 http://www.jil.go.jp/ /7月24日発表・同法人プレスリリースより転載)