平成30年度新入社員のタイプは「SNSを駆使するチームパシュートタイプ」~SNSを活用してグループの協力関係を作りスピーディーに活動:産労総合研究所
人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2018年度(平成30年度)新入社員のタイプ」を発表しました。これは、企業の人事担当者、大学のキャリアセンター担当者などから成る「新社会人の採用・育成研究会」が、当所調査の「2018年度新卒者の採用・就職と特徴に関する調査」や2018年度の採用・就職支援活動などを踏まえて、今年の新入社員の特徴と育成のヒントをまとめたものです。
なお、平成29年度までは、公益財団法人日本生産性本部が「新入社員の特徴とタイプ」を発表しています。
過去のタイプについては、こちらをご参照ください。
<新入社員のタイプ>
「SNSを駆使するチームパシュートタイプ」
―SNSを活用してグループの協力関係を作りスピーディーに活動―
オリンピックで金メダルを獲得した女子チームパシュート。三人が順序を入れ換えながらリンクを疾走する姿が記憶に残る。今春の新入社員は、ここ数年続く売り手市場傾向を追い風にスピーディーに就職活動を終えることができた。ひところの就職「氷」河期とは様変わりである。とはいうものの、学生にとって就活は学生時代の一大事業であることに変わりはない。少数の仲間同士でSNSを活用し、綿密な情報交換で協力関係を構築し、内定というゴールをめざした。就活は短期決戦だったが、入社すればおよそ40年もの長期戦である。自分なりのテーマをもって仕事をする努力を怠れば周回遅れも。
【2018年度新入社員の就職活動の特徴と今後の育成のヒント】
厚生労働省と文部科学省の調査によれば今春の大卒新入社員の内定率は91.2%(2月1日時点)と、調査開始(平成9年3月卒)以来の最高値を記録した。平成23年3月 卒の77.4%から7年連続増加したことになり「売り手市場」傾向の定着 が見られる。反面、有効求人倍率が上昇に転じた平成22年以降、大卒新入社員の3年以内の退職も30%台で推移している(厚生労働省「新規学卒者の離職状況」)。(公財)日本生産性本部が実施する新入社員意識調査では、「買い手市場」の不況期には新入社員の本音が見えにくくなるが、「売り手市場」になると顕在化する傾向にあるという。入社後は、定着へ向けて、個々の資質を見きわめた丁寧な育成が必要となる。
2015年に起きた大手広告代理店の新入社員の過労自殺は今なお学生たちの懸念材料として尾をひいており、その後の相撲界のパワハラ事件なども手伝い、会社や上の世代への不信感をぬぐえず、就活や仕事に前向きになれない傾向としてくすぶっている。採用担当者からは「タフさの不足」を指摘する声も聞かれるが、売り手市場で新入社員はじめ若手社員の本音が見えやすくなったこの時期は、多くの企業で高度経済成長期に形成された「働き方」を見直す好機とも言えよう。また今年の就活では、おりからのAIの実用化によって「なくなる仕事」に就いてしまうのではないかという懸念をもつ者も目立った。
<本リリースに関する取材などのお問い合わせ>
株式会社産労総合研究所 「新社会人の採用・育成研究会」事務局
担当:佐藤、白ヶ澤、重山
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◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社産労総合研究所 https://www.e-sanro.net/ /3月27日発表・同社プレスリリースより転載)