健康増進以外にも好影響? 企業の「禁煙」進む
受動喫煙の防止を図るため、政府は今月9日、飲食店などを原則禁煙とする健康増進法改正案を閣議決定した。小規模店舗などの一部例外はみとめるが、違反した場合には罰則も設ける。現在、日本は受動喫煙対策の遅れなどから、世界保健機関(WHO)より「世界最低レベル」であるとの指摘を受けている。法改正によって、2020年の東京オリンピック開催に向けた禁煙対策を後押しする狙いだ。
近年、健康意識の高まりから、企業の「禁煙」に対する取り組みも進んでいる。帝国データバンクの調査によると、オフィス内の「全面禁煙」を実施している企業は、2015年の17.7%から、2017年には22.1%まで増加。さらに、より厳しい対策として、東海ガスなどを収めるTOKAIホールディングスや、メガネのオンデーズ、オフィス機器のリコーなど、複数の企業が従業員の就業時間内の喫煙禁止を進めている。
前出の調査によると、禁煙制限を設けた企業では、健康増進以外にも「職場内がきれいになった」(61.2%)「喫煙者と非喫煙者の公平性が向上した(業務中のたばこ休憩など)」(22.7%)といった好影響があったという。さまざまな効果が期待できる企業の禁煙対策は、今後ますます活発になるだろう。
(『日本の人事部』編集部)