働き方改革で最も実施されている取組は「長時間労働削減のための労働時間管理の強化」~『労働経済動向調査(平成29年11月)』(厚生労働省)
厚生労働省では、このほど、労働経済動向調査(平成29年11月)の結果を取りまとめましたので、公表します。
「労働経済動向調査」は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題点を把握することを目的に、四半期ごとに実施しています。また、今回は特別項目として、「働き方改革の取組」及び「事業の見直しと雇用面での対応状況」についても調査しています。
本調査は、平成29年11月1日現在の状況について、主要産業の規模30人以上の民営事業所のうちから5,835事業所を抽出して調査を行い、このうち2,625事業所(うち有効回答2,620事業所、有効回答率44.9%)から回答を得ています。
【調査結果のポイント】
1.正社員等は増加見込とする事業所割合が引き続き多い(平成29年10~12月期実績見込)
(1)生産・売上額等判断D.I.
「調査産業計」で5ポイント。主な産業別にみると「製造業」(+13)、「サービス業(他に分類されないもの)」(+3)でプラス、「建設業」(△2)、「卸売業,小売業」(△1)ではマイナス。
(2)所定外労働時間判断D.I.
「調査産業計」で4ポイント。主な産業別にみると「製造業」(+6)、「建設業」(+4)、「サービス業(他に分類されないもの)」(+2)でプラス、「卸売業,小売業」(△3)ではマイナス。
(3)正社員等雇用判断D.I.
「調査産業計」で5ポイント。主な産業別にみると「建設業」(+11)、「サービス業(他に分類されないもの)」(+9)、「製造業」(+8)、「卸売業,小売業」(+5)でプラス。
2.正社員等、パートタイム労働者ともに、不足とする事業所割合が引き続き多い
労働者過不足判断D.I.は、「調査産業計」で正社員等労働者は38ポイントと26期連続して、パートタイム労働者は33ポイントと33期連続して、それぞれ不足超過。正社員等労働者、パートタイム労働者ともに全ての産業で不足超過となっている。
3.働き方改革の取組(今回調査の特別項目)
「働き方改革」について、現在までに実施した取組で最も割合が高かったものは「長時間労働削減のための労働時間管理の強化」(60%)となっており、次いで「休暇取得の促進」(54%)、「育児・介護中の職員が働きやすいような環境整備」(46%)などとなっている。今後実施する予定の取組も同じ順番であり、それぞれ71%、64%、53%に高まっている。
4.事業の見直しと雇用面での対応状況(今回調査の特別項目)
事業の見直しを実施した(する予定の)事業所割合は、調査産業計で過去1年間(平成28年11月~平成29年10月)は15%、今後1年間(平成29年11月~平成30年10月)は14%となった。見直しの方向をみると、過去1年間及び今後1年間とも事業を「拡大」する方向で見直しをした(する予定の)割合が「縮小」を上回った。
<問い合わせ先>
政策統括官付参事官付雇用・賃金福祉統計室
参事官 石原 典明
室長補佐 佐田 晴康
労働経済第一係
(代表電話)03(5253)1111(内線7622)
(直通電話)03(3595)3145
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 12月20日発表・報道発表より転載)