アジア日系企業の昇給率が鈍化傾向。経済成長が緩やかになる中、人件費抑制で「来年は平均5.5%」~『12ヵ国・地域の賃金動向調査』:エヌ・エヌ・エー
共同通信のグループ会社で、アジアの経済・ビジネス情報を配信する株式会社エヌ・エヌ・エー(本社:東京都港区、代表:岩瀬彰、以下:NNA)は、アジアで事業を展開する日系企業の現地社員の賃金動向を調査しました。
日本では少子高齢化などを背景に経済成長率が伸び悩んでいますが、アジア各地は人口増もあり、消費市場が拡大しています。この市場を狙って日本企業の進出も増えています。
一方で、現地の従業員の報酬設定に頭を悩ませる企業が多いことから、NNAでは毎年、給与をはじめとする賃金の動向を調査しています。
今年は9月に実施し、アジア12ヵ国・地域に拠点を構える日系企業のうち2,238社から有効回答が得られました。2017年の給与額や昇給率の実績のほか、2018年の昇給率の予測など海外拠点の賃金水準の決定に欠かせない情報を確認しました。
全体のサマリーは下記の通りです。
来年は9ヵ国・地域で昇給率が低下する
●2018年の平均昇給率は、2017年比で0.3ポイント低下の5.5%となる見通し。
●2015年の6.8%、2016年の6.1%、2017年の5.8%から鈍化傾向にある。
●国・地域別では、韓国、タイ、マレーシアを除く、中国やインドネシア、フィリピン、インドなど9カ国・地域で2017年に比べて伸び率が下がる見込み。
●アジア経済の成長が緩やかに下降している中、日系企業の多くが人件費の抑制へと舵を切っていることがうかがえる。
部門別は営業が5.7%で生産を上回る
●製造業の2018年の昇給率は5.5%となり、非製造業を0.1ポイント上回る。
●営業部門の伸び率は5.7%で、生産部門よりも0.3ポイント高くなる見込み。
●アジア市場の開拓に力点を置きたい日系企業の思惑を背景として、営業職の伸び率が生産部門を上回ったもよう。
(参考資料)
【調査概要】
方法:メール、電話
対象:中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、インド
期間:平成29年9月1~30日
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社エヌ・エヌ・エー https://www.nna.jp/corp_contents/company/ /12月1日発表・同社プレスリリースより転載)