学歴別の初任給の引上げ額、大学卒(技術系)が1,613円で最も高く、高校卒(現業系)以外は1,000円を超える~2017年3月卒『新規学卒者決定初任給調査結果』:日本経済団体連合会
一般社団法人 日本経済団体連合会は、2017年3月卒『新規学卒者決定初任給調査結果』を発表しました。
<調査結果の概要>
1.初任給決定にあたって最も考慮した判断要因―全産業―
この項目の調査を開始した2007年以降、「世間相場」(28.0%)、「在籍者とのバランスや新卒者の職務価値」(22.2%)の順に回答が多い傾向に変化はないものの、「人材を確保する観点」(18.3%)が前年比でプラス2.2%ポイントと最も大きく増加した。人手不足などを背景に、人材確保を優先的に考慮して初任給額を決定する企業が増えている。また、「在籍者とのバランスや新卒者の職務価値」との回答も1.9%ポイント増加した。ベースアップなどの実施により、在籍者との調整のため初任給額を引き上げた企業も増えていることがうかがえる。
2.初任給の決定状況―全産業―
「前年の初任給から引き上げた」と回答した企業は、3.3%ポイント減少し47.8%となったものの、40%台後半の高い水準を維持している。初任給を引き上げた企業のうち、春季労使交渉におけるベースアップなどの実施を反映し、「賃金改定後引き上げた」との回答が8割以上を占める傾向に変化はない。
3.初任給水準と引上げ率―全産業―
学歴別の初任給の引上げ額は、大学卒(技術系)が1,613円で最も高く、高校卒(現業系)以外は1,000円を超えた。また、対前年引上げ率は、0.53(高校卒現業系)~0.76%(大学卒技術系)となり、大学卒(技術系)が最も高かった。初任給の推移をみると、リーマン・ショックの影響などにより2009年から低水準が続いたが、2014年以降は高い伸びが続いている。
4.学歴別・規模別の初任給
大学院卒(技術系)と大学卒(事務系)は「3,000人以上」規模で初任給が最も高い。他方、短大卒(事務系)と高校卒(事務系)は「100人未満」、高校卒(現業系)は「300~499人」の規模でそれぞれ最も高くなっている。
<調査の基本事項>
調査目的: 新規学卒者の初任給の実態と動向を把握し、今後の初任給対策の参考とするために1952年より毎年実施(東京経営者協会との共同調査)
調査対象: 経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,937社
調査時期: 2017年6月5日~7月3日
回答状況: 集計企業数485社(有効回答率25.0%)(製造業52.0%、非製造業48.0%、従業員500人以上77.5%)
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(一般社団法人日本経済団体連合会 http://www.keidanren.or.jp/ /10月31日発表・同連合プレスリリースより転載)