「総合職と業務範囲が明確に分かれていない」一般職女性は60%以上 同一労働同一賃金は実現なるか
政府が進める働き方改革の主軸の一つである、「同一労働同一賃金」の実現に向けて、厚生労働省は今月8日、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)に働き方改革の関連法案の要綱を諮った。非正規社員の基本給や賞与などについて、正規社員との不合理な格差をつけることを禁じることなどを盛り込んでおり、適用を一年見送る中小企業を除き、原則2019年春の施行を目指す(日本経済新聞より)。
こうした動きがある一方で、企業内では同一労働同一賃金の原則が浸透していないのが実情だ。公益財団法人21世紀職業財団が今年8月に発表した、「一般職女性の意識とコース別雇用管理制度の課題に関する調査研究」によると、総合職の社員からより重要性の高い仕事を「引き継いでいる、または引き継いだことがある」と回答した人の割合は46.3%と、半数近くにのぼった。また、「一般職と総合職の業務の範囲が明確に分かれていない」とする回答は、64.2%。総合職社員と待遇が異なるにもかかわらず、業務内容には明確な差がないと感じる女性が多いことが明らかになった。
同一労働同一賃金が導入され、一般職女性や非正規社員がより納得感を持って働けるようになれば、パフォーマンスの向上や人材の定着など、さまざまな効果が期待できる。労働力人口が減少し、将来的に人材不足の深刻化が予想される中、同一労働同一賃金の導入は、企業にとってさらに重要なテーマとなりそうだ。
(『日本の人事部』編集部)