働き方改革の推進者は、経営者が42.4%と高く、人事部長(24.5%)と経営企画(20.3%)が続く~国内企業の人材戦略と人事給与ソフトウェア市場動向調査結果を発表:IDC Japan
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-3-5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内企業の人材戦略と人事給与ソフトウェア市場動向の調査結果を発表しました。
本調査は、国内企業など629名を対象に、生産性の向上や労働力の確保を目的に各社で進む働き方改革について、推進者/取り組みと課題/関連するIT利用の実態を調査しました。本調査レポートでは、その結果を5%以上の業績「増加」企業とその他との比較、また従業員規模別の傾向、ベンダーの取り組みを報告しています。
<概要>
●働き方改革の推進者は、経営者が42.4%と高く、人事部長(24.5%)と経営企画(20.3%)が続く
●多くの企業が、長時間労働の抑制と社員の健康管理を目標に、就業規則の見直しや勤怠管理の強化に取り組む傾向に
●先進的な企業は、コミュニケーションの活性化で効率性と生産性向上を目指ざす
●ITサプライヤーは働き方改革を促すサービスメニュー化で、ユーザー需要の発掘が重要に
働き方改革の推進者は、経営者が42.4%と高く、人事部長(24.5%)と経営企画(20.3%)が続いています。IDCでは働き方改革を三つの段階で捉えていますが、今回の調査では多くの企業が初期の「管理の強化」段階にいて、「就業規則や制度の見直し」「勤怠管理の強化」で長時間労働の抑止に取り組んでいることが分かりました。また5%以上の業績増加企業では、働き方改革予算をIT導入にも適用する予定があり、IT活用の重要性や効果に対する認識がその他に比較して高い傾向を示しました。先進的な企業の取り組みは、第二段階である「効率性と生産性向上」の段階で、ITを活用したコミュニケーションの活性化に取り組んでいます。
働き方改革に関連して、人事管理とコラボレーションなど22種類のIT利用について調査した結果、ビジネスチャットと社内SNS、スマートフォン向けビジネスアプリ、タレントマネジメント導入に高い関心がありました。また、生産性向上のために自動化したい業務には「勤怠管理」と「経費と交通費精算」が挙げられました。IT導入においては「自社業務への適合性の高さ」と「操作性の良さ」が重視され、課題には「効果の試算」「適用すべきIT技術/システムの選択」「適正コストの試算」が選ばれました。働き方改革を支援する広範囲な業務の全体最適化には、コラボレーションと情報分析など広範囲な機能を、段階的に導入できるサービスメニュー化が必要であるとIDCではみています。
主要ベンダー(SAP、オラクル、富士通、マイクロソフト、ワークスアプリケーションズ)における働き方改革は、先ITツールによる社員のコミュニケーションを活発化し、そこから得た情報の集約と分析力をベースに情報活用を行っています。先進的で柔軟なワークスタイルと、機械学習なども取り入れた多様なIT活用が、従業員個々の自発的な取り組み支援となり、事業にさまざまな効果を生み出しています。その成果の多くが対応ノウハウと共に、それぞれ特徴のある顧客サービスの機能に反映されています。
「国内企業の働き方改革は、多くの企業が労務管理の強化段階にあるが、先進的な企業では社員間のシナジーを生むコミュニケーションの高度化で生産性を向上し、継続的な事業拡大を担う人材活用に向けて動き出している。国内企業は人事領域におけるICT活用で、これまで培ってきた組織対応の強さに加え、個々の従業員の個性や専門性を事業に生かすべきである。ICTを働き方改革に活用することで、取り組みの可視化、効果測定、新規プロジェクトへの最適な人材配置の実現を早期化する。今後の働き方改革の成熟度に合わせ、コグニティブ/AIシステムを軸にした国内のHR Techが活性化する」とIDC Japan ソフトウェア&セキュリティのシニアマーケットアナリストである、もたい 洋子は述べています。
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(IDC Japan 株式会社 http://www.idcjapan.co.jp/ /8月3日発表・同社プレスリリースより転載)