同僚の賃金公開で、女性活躍が進む? ドイツの新法案から学ぶべき点とは
同一の労働に対する男女間の賃金格差解消に向け、今年3月、ドイツで新たな法案が採択された。同法案では、従業員200人以上の企業に対して、労働者の要請を受けた場合には、同一(もしくは同等)の仕事を行う異性の労働者6人以上の賃金情報を開示することを義務付ける。これにより、賃金構造の透明化を促進し、男女同一労働同一賃金を実現したい狙いだ(独立行政法人労働政策研究・研修機構 国別労働トピックより)。
経済協力開発機構(OECD)が2016年に発表した調査によると、ドイツは男女間の賃金格差が大きい国として14位にランクインし、男女間の格差は13.4%だった。これはEU加盟国の中では最低の水準であり、改善に向けた施策が求められている。一方、同調査での日本のランキングは、韓国に次いで第二位。男女間の賃金格差は26.6%にものぼり、男女格差の大きさはドイツ以上だ。
日本でも、GMOインターネットグループや、メガネ販売の株式会社21などが、従業員ごとの賃金情報を公開している。しかし、賃金情報を公開する企業はまだまだ一部に限られているのが現状だ。
賃金情報を公開し、評価が公正に行われていることを示すことができれば、女性従業員のモチベーションアップも期待できる。今後、労働力人口の減少による人材不足の深刻化が予想され、女性が活躍できる環境づくりが多くの企業にとって急務となる中で、日本企業にも柔軟な取り組みが求められているのではないだろうか。
(『日本の人事部』編集部)