奨学金支援で社員の負担軽減 従業員のモチベーションアップや定着にも期待
現在、大学生の半数以上が奨学金制度を利用しているが、卒業後に奨学金の返済が滞り、給与の差し押さえなどの強制執行にまで進むケースが増えている。
労働者福祉中央協議会が2015年7~8月に34歳以下の男女を対象として行った調査では、奨学金返済の負担について、27.7%が「少し苦しい」、11.3%が「かなり苦しい」と回答。「仕事や就職先の選択」に影響を及ぼしているとの回答も25.2%に上った。
このような背景を受け、企業として従業員の奨学金返済を支援する取り組みが活発化している。ウエディングプロデュース・レストラン運営のノバレーゼは、現在奨学金を返済している社員に、賞与とは別に最大100万円を支給。国内外に約200店のメガネ店を展開するオンデーズや、立ち食いそば店のチェーン展開を行うゆで太郎システム、自動車教習所のコヤマドライビングスクールなども支援制度を立ち上げている(日本経済新聞より)。
奨学金の返済をサポートすることは、企業のイメージ向上にもつながり、人材獲得においてプラスになることが予想される。また、すでに在籍している従業員のモチベーションアップや定着への効果も期待できる。現在は一部の企業での導入にとどまっているが、その効果が明らかになれば、導入を検討する企業も増えるのではないだろうか。
『日本の人事部』編集部