「標準化人材を育成する三つのアクションプラン」を策定しました~今、会社に、攻めの標準化人材はいますか?(経済産業省)
産学官から構成される標準化官民戦略会議標準化人材育成WGは、1月31日(火曜日)、「標準化人材を育成する三つのアクションプラン」を策定しました。第4次産業革命の進展とともに、国際標準化の位置づけが大きく変化する中、「標準化人材」を従来の標準化専門家だけではなく、ルール形成戦略を担う経営層や標準化を支える裾野人材にまで広げて、標準化の主役である企業が取り組むべき三つのアクションとしてまとめています。
1.背景
近年、第4次産業革命の進展とともに、国際標準化の対象が個々の技術から社会システムそのものへと広がり、その位置づけが市場獲得の手段へと変化し、ビジネスに大きな影響を及ぼすようになっています。それに伴って、「標準化人材」の範囲も、エンジニアを中心とする標準化専門家のみならず、ルール形成を担う経営層や、経営企画・営業部門などのエンジニア以外の社内人材や、コンサルタント・弁理士などの外部人材といった企業の標準化を支援する層にも広がっており、こうした人材の育成・確保が急務となっています。
これらの考え方に沿って、「標準化人材育成WG」において、産学官が取り組むべき育成施策を検討し、今般、「標準化人材を育成する三つのアクションプラン」がとりまとめられました。
2.施策の概要
本アクションプランでは、標準化人材を(1)ルール形成戦略マネージメント人材、(2)標準化専門家、(3)標準化を支える裾野人材と定義した上で、我が国の標準化活動の中心的役割を担うべき民間企業、特にその経営層、及び、企業の標準化活動をサポートする政府や関連団体(日本規格協会、業界団体、大学、国立研究開発法人)が、標準化人材を育成する上で直ちに取り組むべき三つのアクションとして、(1)経営層の理解を深める、(2)組織体制や人事評価制度を明確にする、(3)人材育成計画を作成し実行する、の三つを提示しています。具体的な施策として、企業内に最高標準化責任者(CSO:Chief Standardization Officer)を設置し、政府と連携して経営層の理解を深めること、CSOが中心となり人材育成計画を作成し、政府・関連団体の施策を活用しつつ計画を実施すること、などを位置づけています。
また、政府・関連団体の施策として、政府によるルール形成戦略に必要となる情報(デジュール/フォーラム標準や各国規制情報など)の収集体制強化(ルールインテリジェンス機能の強化)、(一財)日本規格協会による、各層の標準化人材を対象にした規格の策定・活用に関する新資格制度の創設、大学と産業界が連携した複数大学にまたがる各産業のルール形成戦略についての新たな講座の開設、国立研究開発法人による更なる標準化活動への参画、などを位置づけています。
3.今後の展開
各主体が本アクションプランの工程表に沿って各種施策を実施するとともに、本アクションプランを用いた広報を通じて、標準化がルール形成戦略の重要なツールであるという考え方の普及を図ります。
また、適時・適切なタイミングで工程表のフォローアップを行い、その結果を踏まえ、アクションプラン及び工程表の改定を行う予定です。
担当:産業技術環境局 基準認証政策課
発表資料:
標準化人材育成アクションプラン(報告書)(PDF形式:607KB)
標準化人材育成アクションプラン(概要版)(PDF形式:214KB)
標準化人材育成アクションプラン(工程表)(PDF形式:198KB)
◆ 発表資料の詳細はこちらをご覧ください。
(経済産業省 http://www.meti.go.jp/ / 2月1日発表・報道発表より転載)