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ニュース
社会 行政・法律
掲載日:2016/09/26

事務・管理職種がある企業のうち、定年制を有する企業の割合は99.6%。そのうち60歳定年制とする企業の割合は86.5%~『平成27年民間企業の勤務条件制度等調査結果』(人事院)

人事院は、国家公務員の勤務条件等を検討するに当たっての基礎資料を得ることを目的として、平成27年10月1日現在における民間企業の正社員の労働時間、休業・休暇、福利厚生、災害補償法定外給付及び退職管理等の諸制度等を調査した。本調査は、常勤従業員数50人以上の全国の企業42,904社のうち、産業別・規模別に層化無作為抽出した7,363社を対象として実地及び郵送により調査を実施したもので、回答のあった企業のうち、規模不適格なものを除いた4,241社について集計した。

集計結果の概要は次のとおりである。

 

1 従業員の労働時間の管理方法

(1)出退勤時間の把握方法
出退勤時間の把握方法は、いずれの職種においても、「出勤簿、システム等による自己申告」とする企業が最も多くなっている。事務従事者についてみると、「出勤簿、システム等による自己申告」が48.8%、「タイムカード」が35.9%、「ICカード等」が18.3%となっている。

 

(2)実労働時間の把握方法

[1]出退勤時間と実労働時間の把握方法の異同
事務従事者がいる企業のうち、出退勤時間と実労働時間の把握方法が「同じ」とする企業が69.8%、「異なる」とする企業が30.2%となっている。

出退勤時間の把握方法別にみると、出退勤時間の把握に「その他」、「パソコン等の動作状況」、「ICカード等」を用いている企業において、「異なる」とする企業が多くなっている。(「異なる」とする企業の割合は、「その他」で41.4%、「パソコン等の動作状況」で41.3%、「ICカード等」で37.5%)

[2]実労働時間の把握方法
出退勤時間と実労働時間の把握方法が異なる場合の実労働時間の把握方法は、「上司が確認した時間」が49.7%、「従業員が自己申告した時間」が45.2%となっている。

 

2 社宅の状況等

(1)社宅の有無

[1]保有形態別割合
転勤がある企業(全企業のうち50.8%)のうち社宅を有する企業の割合は71.3%であり、保有形態別では、自社保有社宅を有する企業の割合は23.7%、借上げ社宅を有する企業の割合は65.9%となっている。
また、全企業を母集団としてみると、社宅を有する企業の割合は46.8%となっている。

[2]用途別割合
転勤がある企業の社宅を用途別にみると、世帯用社宅を有する企業の割合は50.5%、単身赴任用社宅を有する企業の割合は57.7%、独身用社宅を有する企業の割合は59.5%となっている。
また、全企業を母集団としてみると、世帯用社宅を有する企業の割合は31.1%、単身赴任用社宅を有する企業の割合は29.8%、独身用社宅を有する企業の割合は39.2%となっている。

 

(2)世帯用社宅の平均月額使用料
入居者が最も多い代表的な世帯用社宅の平均月額使用料を専有面積別にみると、おおむね、「借上げ社宅」の使用料が「自社保有社宅」の使用料を上回っており、「築16年未満」の使用料が「築16年以上」の使用料を上回っている。

 

3 業務災害及び通勤災害に対する法定外給付制度

(1)業務災害又は通勤災害に対する法定外給付制度の有無
民間企業の従業員が、業務災害又は通勤災害により死亡し、あるいは障害が残った場合等には労働基準法による災害補償や労働者災害補償保険法による保険給付が行われるが、これらとは別に企業独自に給付を行う場合がある。この法定外給付の制度を有する企業の割合は、業務災害による死亡で60.1%、通勤災害による死亡で54.2%、業務災害による後遺障害で50.4%、通勤災害による後遺障害で45.3%となっている。

 

(2)給付額の決定方法
法定外給付制度を有する企業について、給付額の決定方法をみると、「一律」かつ「定額」としている企業が最も多い。

 

(3)給付額
法定外給付制度を有する企業のうち、給付額の決定方法を「一律」かつ「定額」としている企業に係る法定外給付の平均給付額をみると、業務災害による死亡で1,697万円、通勤災害による死亡で1,311万円、業務災害による後遺障害(第1級)で1,993万円、通勤災害による後遺障害(第1級)で1,511万円となっている。

 

4 従業員の退職管理等の状況

(1)定年制の状況
事務・管理職種(部門)がある企業のうち、定年制を有する企業の割合は99.6%で、そのうち60歳定年制とする企業の割合は86.5%となっている。

 

(2)継続雇用制度の状況

[1]定年制を有する企業のうち、定年後の継続雇用制度を有する企業の割合は97.4%であり、そのうちいったん定年退職した従業員を再び雇用する再雇用制度を有する企業の割合が93.3%、定年年齢に達した従業員を退職させることなく引き続き常勤の従業員として雇用する勤務延長制度を有する企業の割合が9.0%、特殊関係事業主(子会社等のグループ会社)において継続雇用する制度を有する企業の割合が2.1%となっている。

[2]再雇用制度を有し、平成26年度に定年退職し再雇用された者がいた60歳定年企業におけるフルタイム再雇用者の状況をみると、全員(100%)フルタイムで再雇用している企業が89.0%となっている。

[3]再雇用制度を有し、平成26年度に定年退職し再雇用された者がいた60歳定年企業における再雇用者の勤務形態別の人数割合は、フルタイム再雇用者が92.1%、短時間再雇用者が7.9%となっている。

[4]再雇用制度を有し、平成26年度に定年退職し再雇用された者がいた企業のうち、再雇用者の配置について一つの選択肢のみ選んだ企業の割合は、管理職級では78.9%、非管理職級(係員を除く)では84.1%であった。これらの企業における配置状況は、管理職級で定年退職した者を同格のライン職又はスタッフ職へ配置した企業は49.1%、また、非管理職級(係員を除く)で定年退職した者を同格のライン職又はスタッフ職へ配置した企業は54.7%となっており、いずれも同格へ配置する企業が最も多い。

 

◆ 詳しくはこちらをご覧ください。

(人事院 http://www.jinji.go.jp// 9月21日発表・報道発表より転載)

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