新卒採用、既卒者も「応募可能」が調査開始後最高の43%。労働者過不足判断D.I.は、正社員等労働者、パートタイム労働者とも引き続き不足超過~『労働経済動向調査(平成28年8月)』(厚生労働省)
厚生労働省では、このほど、労働経済動向調査(平成28年8月)の結果を取りまとめましたので、公表します。
「労働経済動向調査」は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題点を把握することを目的に、四半期ごとに実施しています。また、今回は特別項目として、「既卒者の募集採用」及び「労働者不足の対処方法」についても調査しています。
本調査は、平成28年8月1日現在の状況について、主要産業の規模30人以上の民営事業所のうちから 5,835事業所を抽出して調査を行い、このうち3,080事業所(うち有効回答3,016事業所、有効回答率51.7%)から回答を得ています。
<調査結果のポイント>
1.生産・売上額等、所定外労働時間、正社員等雇用の状況(平成 28年7~9月期実績見込)
(1) 生産・売上額等判断D.I.(注1)「調査産業計」で2ポイント。主な産業別にみると「建設業」(+10)、「サービス業(他に分類されないもの)」(+7)、「製造業」(+6)でプラスとなったが、「卸売業,小売業」(△2)はマイナス。
(2) 所定外労働時間判断D.I.(注1)「調査産業計」で△1ポイント。主な産業別にみると「建設業」(+8)、「サービス業(他に分類されないもの)」(+5)、「卸売業,小売業」(+3)でプラスとなったが、「製造業」(△2)でマイナス。
(3) 正社員等雇用判断D.I.(注1)「調査産業計」で5ポイント。主な産業別にみると「建設業」(+11)、「製造業」(+7)、「サービス業(他に分類されないもの)」(+6)、「卸売業,小売業」(+1)でプラス。
2.労働者の過不足状況、雇用調整の状況
(1)労働者過不足判断D.I.(注1)平成28年8月1日現在、「調査産業計」で正社員等労働者は 33ポイントと21期連続、パートタイム労働者は31ポイントと 28期連続して、それぞれ不足超過。正社員等労働者、パートタイム労働者ともに全ての産業で不足超過。
(2) 「雇用調整を実施した」事業所の割合(平成 28年4~6月期実績)は「調査産業計」で 28%。うち、「事業活動縮小によるもの」は2%。
3.既卒者(注2)の募集採用(平成 27年8月から平成28年7月まで)の状況(今回調査の特別項目)
新規学卒者の採用枠で正社員を募集する際、既卒者が「応募可能だった」とする事業所の割合は「調査産業計」で43%となり、調査を開始した平成20年以降で最も高かった(前回平成 27年8月調査 42%)。
4.労働者不足の対処方法の状況(過去1年間:平成 27年8月~平成 28年7月、今後1年間:平成 28年8月~平成29年7月)(今回調査の特別項目)
現在不足している労働力に対する対処方法は、過去1年間及び今後1年間とも「正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加」が最も高かった(過去1年間:62%、今後1年間:63%)。
※調査結果の詳細は、別添概況をご覧ください。
関連資料
報道発表資料 [262KB]
概況全体版 [884KB]
<問い合わせ先>
政策統括官付参事官付雇用・賃金福祉統計室
参事官 石原 典明
室長補佐 佐田 晴康
労働経済第一係
(代表電話) 03(5253)1111(内線7622)
(直通電話) 03(3595)3145
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 9月13日発表・報道発表より転載)