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ニュース
社会 教育・オピニオン
掲載日:2016/09/05

働き盛りの30代40代男性の「仕事」を生きがいとする割合が低下。全年代の女性の就業率が若干高まり、20代では約7ポイントの伸び~『国内労働情報2016 第2回日本人の就業実態に関する総合調査』:JILPT

労働政策研究・研修機構(JILPT)では、「第2回日本人の就業実態に関する総合調査」を実施しました。このほど、調査結果がまとまりましたので公表いたします。

 

<研究の目的>
本調査は、就業形態の多様化が進む中で、日本人の働き方の実情を体系的、継続的に把握することを目的とし、就業率・就業形態等の就業構造や労働時間、賃金、能力開発、職場.労使関係、転職状況、副業、満足度・生きがい等の就業意識――など、幅広く就業実態にかかわる項目を網羅して調査している。加 えて今年度調査では、「パワーハラスメント」と「メンタルヘルス」を特別テーマとして取り上げた。本調査は、2010年に続く2回目の調査である。

 

<研究の方法>
住民基本台帳から層化二段階抽出した全国満20歳以上65歳以下の男女8,000人を対象とした調査員による訪問留置調査。調査期間は2014年1月11日~2月3日。有効回答数4,573人で有効回収率57.2%。

 

<主な事実発見>
1.ここ4年で、すべての年代の女性の就業率が若干高まり、20代では約7ポイントの伸び

就業者の割合(就業率)は77.8%。性別でみると、男性の就業率は87.8%、女性では69.5%。 2010年調査と比べると、男性は変化がないが、女性は3ポイントと若干の伸び。性・年代別では、男性は20代、60代でわずかに高まっている以外は、すべての年代で若干低くなっている。一方女性は、約7ポイント高くなった20代をはじめ、すべての年代で2ポイント程度伸びている。

 

2.ここ4年で、働き盛りの30代40代男性の「仕事」を生きがいとする割合が低下
生きがいについて「仕事」と回答した割合は、男性が33.0%、女性が32.2%。性・年代別では、男性50代が40.5%と最も高く、次いで男性60代 (37.9%)、女性60代(37.8%)、女性30代(33.4%)、女性40代(32.9%)、女性50代(31.9%)などの順。女性で仕事を生きがいと考える割合が高くなっている。2010年調査と比べると、男性30代、40代で「仕事」を生きがいとする割合が低下している。

 

3.20代30代男性で、就業経験「なし」の割合が2割を超えている
現在、仕事をしていない人(在学者除く)を対象に、過去の就業経験を聞いたところ、「あり」が94.4%と大多数。しかし、細かく性・年代別で見ると、男性20代、30代のどちらも23.5%と2割以上が「就業経験がない」と回答しているのが特徴的。

 

4.過去5年間で、退職勧奨など、会社から意に沿わない行為を経験した人は15.8%
過去5年間で、会社から「希望退職に応じるよう、退職勧奨を受けた」「意に沿わない配転・出向命令を受けた」「人事評価を下げられたり、降格・減給された」など、何らかの自分の意に沿わない行為を受けたことがある人の割合は雇用者で15.8%、うち正規従業員では17.1%、非正規従業員では13.7%となっている。

 

5.過去1年で、いじめ・嫌がらせやパワーハラスメントと見られる行為の経験者は3人に1人
過去1年間で、「怒鳴られたり、暴言をはかれた」「仕事をする上で必要な情報を与えてもらえなかった」「陰口や噂を広められた」など、いじめ・嫌がらせや パワーハラスメントと見られる行為を職場で受けた経験のある人の割合は、34.0%と3人に1人。そのうちの3分の1がその行為をパワーハラスメントと認識している。

 

6.4人に1人が、過去3年間でメンタルヘルスの不調を感じたことが「ある」
過去3年間で、落ち込んだり、やる気が起きないなどの精神的な不調(メンタルヘルス上の不調)を感じたことが「ある」人が、25.7%と4分の1を占めた。 そのうち、76.5%は「通院治療なしでも、日常生活を送れる状態」だが、「通院治療しながらなら、日常生活を送れる状態」(16.2%)、「通院治療しながらでも、日常生活を送るのが困難な状態」(3.3%)を合わせて、不調を感じた人の2割程度が通院治療を必要としていた。

 

7.メンタルヘルス不調になった人の13.3%が結局、職場を退職している
メンタルヘルス不調になった人が、その後、職場でどのような状態になっているかをみると、「休職も通院もせずに働いている」人の割合が72.0%と もっとも高いが、結局退職した人(「休職せず退職した」「休職を経て退職した」「休職を経て復職後、退職した」の合計)も13.3%と1割を超えている。

 

<政策への貢献>
経済の低成長とグローバル化、産業構造の変化の進展などを背景として、日本人の就業意識、就業実態は大きく変化しつつあり、この変化を継続的にフォローし、変化の兆候を的確に捉える基礎的なデータを整備することで、労働政策の立案及びその効果的な推進の実現に貢献する。

 

<本文>
国内労働情報2016 第1分冊 本編 全文(PDF:9.4MB)
国内労働情報2016 第2分冊 就業者データ編 全文(PDF:5.7MB)

 

<調査期間>
平成25年度~27年度

 

<お問合せ先>
内容について 研究調整部 研究調整課 03(5991)5104

 

◆ 本調査の詳細は、こちらをご覧ください。

(独立行政法人労働政策研究・研修機構 http://www.jil.go.jp/ /8月26日発表・同機構プレスリリースより転載)

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