『2015年度 コンプライアンス違反企業の倒産動向調査』~件数は前年度比3割増で過去最多。成長戦略の陰で歪みが表面化:帝国データバンク
2015年度は、企業コンプライアンスの問題が数多く取り沙汰された。東芝グループの不適切な会計処理が発覚し、国内有数の企業グループの根幹を揺るがすほどの事件に発展。また、これをきっかけに監査法人の会計監査体制にも批判が及んだ。このほか、東洋ゴムによる相次ぐ性能偽装や、旭化成建材の事件に端を発したくい打ち工事の偽装事件など、大企業のコンプライアンス問題が大きくクローズアップされた。
一方で、近年の景気回復基調に伴って増加する仕事量に対し、資金繰りや社内体制強化が追い付かなくなる中小企業も多い傾向にあり、粉飾決算や融通手形、循環取引、不透明な資金操作、詐欺などの法令違反が相次いで明るみに出ている。
帝国データバンクでは、「粉飾決算」や「業法違反」、「脱税」などのコンプライアンス違反が取材により判明した企業の倒産を「コンプライアンス違反倒産」と定義。2015年度(2015年4月~2016年3月)の倒産(法的整理のみ)について分析した。
なお、本調査は2005年4月から集計を開始しており、前回調査は2015年4月7日。
・「コンプライアンス違反」は、意図的な法令違反や社会規範・倫理に反する行為などを指す
・同一企業に複数のコンプライアンス違反がある場合は、主な違反行為で分類
<調査結果>
- 2015年度のコンプライアンス違反倒産は289件判明。前年度比3割増で過去最多を更新
- 違反類型では「粉飾」が85件で最多。資金流出や詐欺などの「資金使途不正」は67件判明し前年度から4倍に大幅増加
- 主な事例は、(株)日食(大阪、粉飾)、(株)MARU(東京、資金流出)など
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(株式会社帝国データバンク http://www.tdb.co.jp/ /4月8日発表・同社発表より転載)