『2015年 夏季・冬季 賞与・一時金調査結果』~対前年増減率は3年連続のプラス、支給額は昨年に引き続き、リーマン・ショック前と同等もしくはそれを上回る水準:日本経済団体連合会
一般社団法人日本経済団体連合会は「2015年 夏季・冬季 賞与・一時金調査」を、経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,908社を対象に実施しました。
調査結果の概要
1.賞与・一時金総額(原資)の決定方法
業績連動方式を導入している企業の割合は、2011年以降は50%前後で推移しており、2015年は49.7%となった。
基準とする指標(複数回答)としては、「営業利益」(61.9%)が最も多く、「経常利益」(53.1%)、「生産高、売上高」(15.0%)の順になっている。業種別でみると、製造業では「営業利益」(69.0%)と回答した企業が最も多く、非製造業では「経常利益」(61.9%)が最も多い。
2.賞与・一時金の水準 ―全産業―
非管理職・管理職別にみると、非管理職は夏季77万7,135円(対前年増減率+2.5%)、冬季76万1,824円(同+2.7%)、管理職は夏季153万3,330円(同+2.6%)、冬季147万561円(同+3.5%)であった。
対前年増減率は、非管理職・管理職いずれも、2013年以降3年連続のプラスとなった。支給額は、多くの企業で業績が拡大し、前年を上回る水準で妥結した企業も相次いだことなどから、昨年に引き続き、リーマンショック前の2008年と同等もしくはそれを上回る高い水準となった。
3.産業別の状況(非管理職平均)
製造業では夏季79万954円(対前年増減率+2.6%)、冬季78万4,152円(同+2.1%)、非製造業では夏季76万1,250円(同+2.5%)、冬季73万6,366円(同+3.5%)で、いずれも前年比プラスとなった。
個々の業種でみると、総じて夏季・冬季ともに対前年増減率はプラスとなっているなか、業種を取り巻く経営環境などを反映し、土木建設業(夏季+12.1%、冬季+15.1%)は2桁の伸びとなる一方、石油・石炭製品(冬季-11.0%)など一部ではマイナスとなった。
4.配分割合 ―全産業、夏季―
1人あたり平均賞与支給額を100とした場合の配分比率をみると、非管理職は「定率分」38.1、「考課査定分」33.8、「定額分」26.1、管理職は「定率分」21.8、「考課査定分」51.1、「定額分」24.5であった。
非管理職・管理職とも、1990年代前半から「定率分」が減少する一方で、「考課査定分」と「定額分」が増加している。
5.考課査定の幅 ―全産業、夏季―
標準者を0とした考課査定幅の分布状況は、「最高と最低の幅が同じ場合」では、非管理職は「10%以上20%未満」(34.7%)が、管理職は「20%以上30%未満」(27.2%)がそれぞれ最も多い。「最高と最低の幅が異なる場合」は、非管理職・管理職ともに「50%以上」(非管理職:最高幅28.7%・最低幅33.8%、管理職:最高幅34.5%・最低幅37.0%)が最も多くなっている。
5年前の2010 年(図表中( )内の数値)と比較すると、管理職・非管理職とも、査定幅を20%以上の区分で設定する企業の割合が増加傾向にある。
調査の基本事項
調査目的:企業における賞与・一時金の支給実態を把握し、今後の対策の参考とするため、1953年から毎年実施(東京経営者協会との共同調査)
調査対象:経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,908社
対象時期:夏季賞与 2015年6月、7月支給分/冬季賞与 2015年11月、12月支給分
回答状況:集計企業数333社(有効回答率17.5%)
(製造業53.8%、非製造業46.2% 従業員500人以上規模79.9%)
◆本調査の詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(一般社団法人日本経済団体連合会 http://www.keidanren.or.jp/ /3月25日発表・同社プレスリリースより転載)