正社員採用、高水準続くも拡大基調に頭打ち~非正社員、採用予定企業が6年ぶりに前年を下回る~『2016年度の雇用動向に関する企業の意識調査』:帝国データバンク
人手不足が深刻化するなか、2016年1月の有効求人倍率は1.28倍と、1991年12月以来24年1カ月ぶりの高水準となった。また、新規学卒者の就職内定率は2015年12月1日時点で80.4%(大卒)と5年連続で上昇し、リーマン・ショックの影響前の2008年の水準に迫っている。しかし 一方で、地域間や業界間、社員・非正社員間などの雇用動向には依然として格差がみられる。
そこで、帝国データバンクは、2016年度の雇用動向に関する企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2016年2月調査とともに行った。
※調査期間は2016年2月16日~29日、調査対象は全国2万3,189社で、有効回答企業数は1万497社(回答率45.3%)。なお、雇用に関する調査は2005年2月以降、毎年実施し、今回で12回目
※本調査における詳細データは景気動向調査専用HPに掲載している
<調査結果>
1.正社員の採用予定があると回答した企業の割合は62.9%と、2年連続で6割を超えたものの、6年ぶりに前年を下回った。企業の採用意欲は依然として高水準が続いているが、規模別にみると中小企業では6年ぶりに減少しており、正社員の採用動向にやや陰りが見え始めた。
2.非正社員の採用予定があると回答した企業の割合は48.8%で6年ぶりに減少した。他方、採用予定のない企業は38.8%と7年ぶりに増加した。 非正社員の採用動向はリーマン・ショック後に急減したのち回復傾向を示していたが、ここにきて非正社員の採用を抑制する傾向が表れてきた。
3.より良い人材を採用するために行っている取り組みでは、「募集方法・内容を多様化」が31.3%で最多。次いで、「自社採用ホームページの公開」 「福利厚生制度の充実(特別休暇など)」「分煙、禁煙の実施」が2割台で続いた。企業は募集対象や方法の多様化、福利厚生制度の充実などソフト面を強化することで、優秀な人材の採用・確保を図っている。
4.採用に関して望ましい選考活動の開始時期については「分からない」「選考活動の開始時期は関係ない」が多いものの、従来の選考活動開始時期であっ た「4月」が望ましいとする企業が1割超となった。次いで、現在の2017年卒の選考活動開始時期である「6月」と、2016年卒の解禁日と同時となる 「3月」が続いた。
※詳細は資料(PDF 614KB)をご覧ください。
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(株式会社帝国データバンク http://www.tdb.co.jp/ /3月14日発表・同社発表より転載)