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【ヨミ】ラッカープラン ラッカープラン

「ラッカープラン」とは、企業が創出する付加価値を基準にして従業員の賃金総額を決定する手法のことです。米国の経営コンサルタントであったアレン・W・ラッカーによって提唱されました。企業の付加価値と人件費総額との間にある高い相関関係に着目して賃金総額を管理するのがラッカープランの考え方で、付加価値に標準労働分配率(過去の労働分配率をもとに設定)を乗じて人件費総額を算出し、そこからすでに支払った賃金総額を差し引いた残額を、賞与などの一時金として従業員に還元・分配します。別名「付加価値配分方式」(生産性成果配分方式)と呼ばれ、わが国の産業界では主に賞与原資の決定に広く用いられています。
(2014/8/25掲載)

ラッカープランのケーススタディ

付加価値と賃金の相関関係に着目した賃金管理
売上が増えなくてもコスト削減で賞与増も可能

企業の賃金総額管理の代表的な手法には、アメリカ鉄鋼労働組合のジョセフ・スキャンロンによって提唱された「スキャンロンプラン」などがありますが、スキャンロンプランが売上高の変動に応じた賃金総額の決定方法であるのに対し、企業が生み出す付加価値額(売上高から仕入高や外注費などを控除したもの)を業績の基準にして、賃金総額算定に連動させる手法を「ラッカープラン」といいます。

提唱者のアレン・W・ラッカーは、アメリカの製造工業統計のデータを詳細に分析し、企業の創出する付加価値と人件費総額との間に高い相関関係があることを発見しました。付加価値全体のうち人件費として従業員に還元されている割合を「労働分配率」と呼び、<労働分配率(%)=人件費÷付加価値×100>で計算しますが、ラッカーによると、労働分配率は40%以下が優良企業、30%以下が超優良企業の条件であるといいます。

ラッカープランではこの付加価値と賃金との関係性に着目し、過去の労働分配率に基づいて設定される「標準労働分配率」に当期の付加価値額を乗じて賃金総額を算出。そこからすでに賃金として支払った分を差し引き、残った額を賞与支給額とします。

日本においてこの方式はスキャンロンプランと同様、成果配分の考え方として普及し、賞与原資の決定に広く使われてきました。ラッカープランによる賞与の算出方法は<賞与支給額=付加価値×労働分配率-毎月支払った賃金総額>となります。

付加価値は労使の努力と協調により、会社全体で生み出した価値ですから、企業業績の基準とするのに最もふさわしい経営指標といえます。また売上高が増えなくても、コスト削減によって付加価値が増えれば、当然、賃金総額や賞与は大きくなるので、生産効率の向上を目指すモチベーションにもつながりやすくなります。そうしたことから売上高を基準とするスキャンロンプランより、ラッカープランのほうが賃金管理の手法として優れているという見方も少なくありません。

スキャンロンプラン

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