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【ヨミ】シェアケンシュウ シェア研修

「シェア研修」とは、複数の企業のコラボレーションにより、新入社員研修などを合同で企画・実施する研修スタイルのことです。研修プログラムや講師、会議場など各社の育成リソースを共有し、所属の異なる参加者が企業の枠を超えて同じ研修を受けるのが特徴。自社内に閉じていた従来の新人研修と違い、“社外同期”ともいうべき仲間と交流・切磋琢磨することで若手社員の視野とネットワークを広げ、多様化・オープン化するビジネス環境に対応できる人材の育成につなげることが期待されています。
(2013/12/20掲載)

シェア研修のケーススタディ

自社に閉じた研修では成長に限界も
“社外同期”をつくり視野を広げる

シェア研修」の取り組みはもともと、ニュースサイト「ITmedia」を運営するアイティメディア(東京都港区)と、専門家情報サイト「All About」を運営するオールアバウト(同渋谷区)というIT関連企業2社が共同で新人研修を行ったことから始まりました。2012年に、携帯電話向けCRM(顧客情報管理)ツールを提供するマイネット・ジャパン(同中央区)、ソーシャルメディアの構築・運営・監視事業を展開するガイアックス(同品川区)、モバイル向けコンテンツを提供するモバイルファクトリー(同千代田区)が加わり、計5社から20名の新入社員を集めてシェア研修第1期がスタート。13年の第2期には、さらにマーケティング支援のイノベーション(同渋谷区)と結婚式場選びの口コミサイトを運営するみんなのウエディング(同中央区)の2社が増え、計7社40名での実施となりました。

プロジェクト全体の期間は1年間。最初に1ヵ月の共同研修期間を設け、その後は月に1度のペースで実施しています。会場は各社の会議室を持ち回りで利用し、講師も外部の人材ではなく、各社の社員から適任者を選んで充てていますから、研修を内製化するよりも費用や人事担当者の負担が少なくて済むうえ、他社の教育の手法やコンテンツを学ぶことができるなど、研修を実施する企業側にも多くのメリットが見込まれるわけです。では、肝心の研修を受ける側=新入社員にとってはどうか。同じIT関連とはいえ、事業内容も文化も違う企業の社員が同じ研修を“シェア”することについて、効果を疑問視する向きもあるでしょう。

新人に研修を施す主な目的を、自社への忠誠心や自社の業務に必要なスキルを身につけさせ、人材として彼らを自社に“最適化”することだと考えるならば、各企業が個別に研修やOJTを実施するほうが合理的かもしれません。しかしそれだけでは社内に閉じてしまい、視野が狭まりがちです。斬新な発想を期待されたはずの新人も、閉じられた画一的な世界で過ごすうちに、いつの間にか会社の中だけを見て仕事をするようになり、社会や市場の変化から取り残されかねません。そうなってからでは、自力で“垣根”を超えようと思っても、会社の論理に縛られて困難になります。だからこそ新人が各社固有の色に染まる前に、会社組織の枠を超えた交流を強制的に経験させ、自らネットワークを広げていく意識を醸成する必要があるのです。それが「シェア研修」に取り組む真のねらいだといえるでしょう。

シェア研修を通じて、新人は他社の企業カルチャーに触れながら多様性を学ぶと同時に、社外に多くの仲間――“社外同期”を持つことになります。お互いに切磋琢磨しあう中で得られる刺激や共感こそが、新入社員にとってシェア研修の最大のメリットなのです。

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