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【ヨミ】エンペンロウドウリョク 縁辺労働力

「縁辺労働力」とは、経済情勢の変動に影響されて労働市場への参入と退出を繰り返し、労働力になったり非労働力になったりする就業形態が不安定な層のことです。具体的には、パートタイマー・派遣労働者・臨時工などを指します。これに対し、終身雇用であるなど学校卒業から定年退職まで常に労働市場の内部にいて、経済情勢の変化に大きな影響を受けない労働者層のことを基幹労働力、あるいは中核労働力と呼びます。
(2013/10/11掲載)

縁辺労働力のケーススタディ

家計を助ける主婦層のパートが典型
雇用の調整弁から職場に不可欠な戦力へ

一般に、労働力人口とは15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口を指し、非労働力人口はそれ以外、すなわち病気や高齢などの理由で就業できない者と就業能力があるにもかかわらず働く意思がない者の合計をいいます。しかしそもそも労働力と非労働力との区別は固定的なものではなく、両者の間には、労働市場の情勢や世帯の家計の状況によって、たえず流動している就業状態が不安定な層が存在します。労働力になったり非労働力になったりするこの浮動層を「縁辺労働力」といいます。

縁辺労働力は労働市場への参入と退出を短期間に繰り返すので、実態が把握しにくく、結果的に労働力率をたえず上下させる要因となりますが、景気変動下での労働需給調整のバッファ(緩衝材)として機能している面もあり、その動向を無視することはできません。縁辺労働力と呼ばれる層には、15~19歳の年少労働力や65歳以上の老齢労働力も含まれますが、その典型は世帯主収入を補うためにパートタイマーなどで働く、二次的収入稼得者の主婦層でしょう。

総務省がまとめた2012年の就業構造基本調査によると、役員を除く雇用者のうち、パートやアルバイトなどの非正規雇用で働く人の占める割合は過去最大の38.2%で、20年前に比べて16.5ポイント上昇しています。女性に限れば57.5%にも達し、なかでも小売や外食などサービス産業の現場は、主婦層の労働力を確保しなければ立ち行かないのが現状です。

従来、縁辺労働力としての主婦パートは、「住宅ローンの足しにでもなれば……」という、補助的・消極的な動機で働くのが普通でした。しかし近年は、主婦ならではのシビアな生活感覚や子育て経験などを生かして、売り場での提案や業務改善につなげる、能動的な“しっかり派”のパートも増えてきているといわれます。求人情報のアイデムがまとめた『平成25年版パートタイマー白書』では、直近1年以内にパート・アルバイトでの仕事を探していて、現在は無職かパート・アルバイトとして働いている個人を対象に、働くことに対する意識の実態を調査しました。結果を見ると、あえて大変な仕事はしたくないという「そこそこ働ければよい派」が全体の約6割にのぼるものの、残りの4割は、自分のやりたい仕事や収入の高い仕事であれば大変な仕事(労働時間が長い、責任が重い、難易度が高い、体力を使うなど)でもかまわないという「しっかり働きたい派」が占めています。

不安定な浮動層といわれる縁辺労働力にも一定の割合で潜在する“しっかり派”。企業には、その存在を把握し、意欲や能力を引き出す姿勢が求められます。

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