社内公募制度・ジョブポスティング・社内FA制度
社内公募制度・ジョブポスティング・社内FA制度とは?
「社内公募制度」「ジョブポスティング」とは、人材を募集しているポジションを社員に公表し、社内から応募を募る仕組みのこと。応募者の中から社内の選考を経て、異動を決定します。一方、社員が自らのキャリアやスキルを希望部署に売り込み、希望する職種や職務を登録するのが「社内FA制度」です。多くの企業はこれらの制度の利用に、勤続年数やスキルといった条件を設けています。社員の自律的なキャリア形成を目的に、同じ会社にいながらキャリアの選択肢を広げられる制度として、導入する企業が増えています。
社内公募やFA制度にとどまらない
ユニークなキャリア支援制度も
社内公募制度・ジョブポスティング、社内FA制度。これらの制度が注目され、導入する企業が増えている背景には何があるのでしょうか。まずは、人材の確保と定着が挙げられます。人材獲得競争が激化している今、企業にとって優秀な人材の流出は防ぎたいものです。
エン・ジャパンの調査では、退職を考えた理由として「やりがい・達成感を感じない」が上位にあがっています。また、「人間関係が悪かった」「自分の成長が止まった・成長感がない」といった理由もありました。これらは、社内転職とも言える「異動」で解決することができるかもしれません。社内公募制度・ジョブポスティング、社内FA制度を利用し、自分の意思で違う仕事にチャレンジすることは、モチベーションアップにもつながるでしょう。
中途採用が一般的になっている今、探していたスキルセットを持つ人材が実は社内にいたというケースも少なくありません。社内から人材を登用することができれば、採用コストも削減できます。
社内公募などの制度は、シニア社員のキャリア支援に活用されることもあります。ソニーでは、ベテラン・シニア社員が“残り10年”のキャリアを自律的に描くために、「キャリア・カンバス・プログラム」というキャリア支援施策を実施しています。その一環として「FA制度」や、社員が自分のレジュメを登録することで人事や他部署から声がかかりやすくなる「キャリアリンク」、さらには、現在の部署に籍を置いたまま業務時間の2~3割で別の仕事を兼務できる「キャリアプラス」といった制度を導入しています。これらは、社内公募制度をリニューアルして生まれた制度だといいます(*取組内容は取材時点のもの)。
会社のDNAを持つ人材が辞めてしまうのは、会社にとって損失です。社員が次のキャリアを描きたいと思ったとき、転職と同列に「社内公募」や「社内FA」という選択肢があれば、会社にとっても人材の流出を防ぐことができ、本人も低リスクで違ったキャリアに挑戦することができます。
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