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【ヨミ】コープキョウイク コープ教育

「コープ教育」とは英語のCooperative Educationを和訳した用語で、産学連携による実践的なキャリア教育の方法論を意味します。趣旨はインターンシップと共通しますが、インターンシップが企業など学生を受け入れる側のイニシアチブで実施されるのに対し、コープ教育では大学などの教育機関が産業界・ビジネス界との連携のもと、主体的に企業現場での実習内容の管理運営に関わるのが特徴です。教育機関・企業・学生の協力関係に基づき、単位の認定も行う教育プログラムの一環として提供される職業体験であることから、コープ教育と呼ばれます。「コーオプ教育」「COOP教育」とも表記されます。
(2013/1/28掲載)
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コープ教育のケーススタディ

日本型インターンシップの弊害をただす
教育機関が主導する産学連携型職業体験

100年以上前にアメリカで誕生したインターンシップは、本来、専門職教育の一環であり、産業の急速な発展に対応するための実践力を養う、産学連携教育プログラムとして確立されてきた経緯があります。一方、日本で「インターンシップ」と呼ばれる就業体験が普及し始めたのはここ15年ほど。キャリア教育という趣旨とは別に、主に各企業が採用活動や就活生に向けた広報活動の一環として独自に導入を進めたため、“本家”とは異なる形態での実施が続いてきました。

日本でのインターンシッププログラムは企業の主導で提供され、学生個人が自らインターンシップの実施企業を探して参加するのが一般的です。夏季休暇など教育機関の休業期間中に行われ、短期・無給が基本。参加する学生は業務アシスタント、仕事観察という扱いがほとんどです。確かに学生にとっては貴重な経験であり、企業側にとっても採用に関するメリットだけでなく、学生・学校に対する認知度向上、学生を職場に入れることによる組織活性化など、副次的な効果も期待されます。しかし、参加した学生たちをインターンシップという名目で無報酬のアルバイトと見なして酷使するなど、トラブルを起こす企業が少なくありません。教育とは一線を画して普及してきた日本型インターンシップの弊害ともいえる問題です。

その解決策の一つとして期待されているのが「コープ教育」という産学連携のしくみ。企業が主導する従来のインターンシップと異なり、コープ教育は大学のイニチシアチブで企業での研修内容を管理運営し、単位として認定します。強力な産学連携によって、専門分野に関わる職業体験プログラムを大学などの就学期間中に長期間実施。参加した学生は労働に対する報酬を受け取ることもできます。また大学が受け入れ先の企業を探し、その内容を事前に審査した上で紹介するため、トラブルも起こりにくくなります。

2005年度からは、立命館大学(京都府)が京セラや島津製作所、堀場製作所、オムロンといった地元の優良企業と連携。「課題解決型長期インターンシップ」と銘打って、4ヵ月から最長半年にわたる本格的なコープ教育の演習プログラムを開講しました。学生数人がチームを組み、企業から提示された課題の解決に取り組むスタイルで、産学連携といえばもっぱら理系の研修室で行われるイメージですが、同大でのコープ教育では、例えば法学部の学生が企業の法務部から知的財産に関する実際の課題を与えられ調査研究に取り組むなど、文系の学部でも熱心に行われているのが特色です。

近年、学生の就業力を早期に開発・育成する必要性から、コープ教育の理念は大学だけでなく、高校教育の現場でも注目され普及し始めています。

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