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HRペディア 掲載日:2011/12/12

【ヨミ】ジュウギョウインモチカブセイド 従業員持株制度

「従業員持株制度」とは、企業がその従業員に自社株を保有してもらうための制度です。従業員が持株会という常設機関を設立して、その運営を行うのが一般的です。会員である従業員の給与・賞与から天引きして積み立てた資金で自社株を共同購入し、会員は拠出額に応じて配当金などを得ます。上場企業では9割以上が実施していて、購入金額の一部を補助している会社も少なくありません。本制度の目的としては、(1)福利厚生の一環として従業員の資産形成を図ること、(2)安定株主を増やすこと、(3)従業員のロイヤリティや経営参画意識を高めること、などが挙げられます。

従業員持株制度のケーススタディ

自社株購入を促すために奨励金を支給
拠出金の100%を付与するケースも

企業による福利厚生諸制度の実施状況をみると、経営環境の悪化に伴い福利厚生全般が縮小傾向にある中でも、「従業員持株制度」は高い実施率を維持していて、“資産形成”のための効果的な支援策として企業社会に定着していることがわかります。近年はそれだけにとどまらず、会社と従業員が協調して事業推進に取り組む一体感やモチベーションを醸成するための、きわめて重要なインセンティブとしても機能しています。だからこそ多くの企業が奨励金を支給するなどの便宜を与え、従業員に自社株式の取得を勧めているのです。

この奨励金は、会社側のいわば補助金です。仮に奨励金の率を5%とすれば、毎月1万円を拠出する場合はその5%の500円を会社が上乗せして、1万500円ずつ積み立てていくことになります。この部分は福利厚生にあたり、損金として処理することができるのです。東京証券取引所が発表した2009年度の従業員持株制度実施状況調査によると、調査対象となった上場企業の93.9%が奨励金を支給。拠出金1,000円に対する奨励金の平均支給額は76.47円で、率に換算すると平均8%弱でした。一般に多いのは5%とも言われています。

一方、こうした“相場”を大きく上回る水準の奨励金を支給する企業も現れてきました。ソフトウェアの開発・販売を手がけるサイボウズでは、拠出金に対して100%の奨励金を付与しているのです。同社の持株会には最低5,000円から加入でき、月額給与の10%を超えない範囲まで購入を申し込むことが可能。したがって月々2万円ずつ拠出している社員であれば、それと同額の2万円が奨励金として会社から付与され、併せて毎月4万円を株式の購入資金に充てることができるのです。

以前は同社も5%の奨励金でしたが、05年8月から100%に変更。そのおかけで従来は3割程度だった持株会への加入率が、9割にまで跳ね上がったといいます。しかし、自社株を購入すれば、従業員も会社にとってはれっきとした株主。その株主に100%の奨励金を支払うことは、一部の株主にだけ特別な利益を供与しているととられかねず、法的なリスクが高まります。同社では株主総会の際に、弁護士や大学教授など、利害関係のない第三者をアドバイザーとして招請。そのうえで持株会に対して議決権に関する説明をきちんと行い、その正当な行使を促すなどしてリスクの回避に努めています。

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