マクロマネジメント、マイクロマネジメント
マクロマネジメント、マイクロマネジメントとは?
「マクロマネジメント」とは、チームメンバーに目標や方針を示した上でそれぞれのやり方を尊重する、干渉しないタイプのマネジメントスタイル。一方、「マイクロマネジメント(ミクロマネジメント)」は真逆のアプローチで、細かいレベルでプロジェクトやタスクを監督し、指示を出すマネジメントスタイルです。長期的な目標達成に照準を合わせるマクロマネジメントに対し、マイクロマネジメントは短期的な目標達成を優先します。
放任 or 干渉
最適なマネジメントスタイルとは?
「マクロマネジメント」と「マイクロマネジメント」。一文字違いですが、意味は正反対。言うなれば、マクロマネジメントは放任主義、マイクロマネジメントは干渉主義といったところでしょうか。
例えば、営業職で「新規契約10社」という目標があるとします。最終的に10社の契約が取れれば、そこに至るまでの道のりに上司が干渉しないのがマクロマネジメントです。イベントで集客するのもよし、訪問営業をするのもよし。結果に重点を置き、目標を達成するための手段は部下に任せます。一方、目標達成のための手段や進捗に上司が目を光らせるのが、マイクロマネジメント。ターゲットリストを作らせ、営業戦略を報告させ、部下が間違った方向に進もうものなら即座に軌道修正を指示します。
マイクロマネジメントは、ネガティブな文脈で語られることが多いでしょう。その理由は、上司が指示し続けることで、メンバーのモチベーションが低下したり、自ら考え行動する自律性が育たなかったりという負の側面が強いから。だからと言って、マクロマネジメントがいつも正しいわけでもありません。マクロマネジメントも適した状況で実施しなければ逆効果なのです。
マクロマネジメントは、メンバーそれぞれの方法を尊重することで創造性が喚起され、イノベーションを生みやすいとされています。一方で、十分な指導やサポートがない場合や、方針や目標の共有が適切に行われない場合は、パフォーマンスが落ちてしまうこともあります。その点、マイクロマネジメントは頻繁に情報共有や軌道修正が行われるので、結果に対する不確実性は低くなることがメリットと言えるでしょう。
業務内容や状況によって、どちらのマネジメントスタイルが適切なのかは異なります。新しく結成された組織やスキルが不十分なチームで、短期間で目標を達成しなければならない場合は、マイクロマネジメントが向いているかもしれません。マクロマネジメントは結果が出るまでに時間がかかりますが、中長期的に組織力を高めたい場合には適していると言えるでしょう。
状況によって最適なマネジメント方法は変わるため、上司は適切なバランスを取りながら、部下の能力やモチベーションを最大限に引き出すようなマネジメントスタイルを模索することが重要です。
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