eNPS
eNPSとは?
「eNPS」とは、「Employee Net Promoter Score」の頭文字をとったもので、従業員のエンゲージメントを可視化する指標。従業員に「職場を親しい友人などにどの程度推奨できるか」を0から10までの11段階で回答してもらい、そのスコアによって「推奨者」「中立者」「批判者」に分類します。推奨者の割合から批判者の割合を引いた値がeNPSのスコアです。自分が職場に満足しているだけではなく、他者に推奨できるかという視点を評価に盛り込むことで、従業員エンゲージメントをより正確に把握できるという特徴があります。
実施者も回答者も負担の少ないeNPS
エンゲージメント向上に向けて、どう活用する?
パルスサーベイ、エンゲージメントサーベイ、従業員満足度調査……。種類はさまざまですが、従業員調査を実施する企業が増えています。さまざまな研究や調査の結果、従業員満足度が高い企業ほど成功していることが明らかになっているからです。
従業員への調査を実施する際、ボトルネックになるのが回答の手間。手間が多いほど回答率は低くなります。その点eNPSはシンプルな設問で、数値を回答するだけ。回答率が高くなりやすいというメリットがあります。取り扱う数値が少ないと分析も容易で、定点調査として活用する際も実施者の負担を最小限にすることができます。
eNPSのスコアは次のように算出します。
1)従業員に以下のように質問します。
・あなたの会社を0から10で評価してください。
・あなたは会社を他の人に薦めますか?
2)従業員の回答に応じて、以下のように分類します。
・0〜6 :批判者(Promoter)
・7〜8 :中立者(Passive)
・9〜10:推奨者(Detractor)
3)「推奨者」の割合から「批判者」の割合を差し引いた値がeNPSです。例えば、推奨者が50%、批判者が20%だった場合、「30」がeNPSのスコアとなります。
スコアは、−100から+100までの範囲で表されます。高いeNPSスコアは、従業員のエンゲージメントの高さを表しています。反対に低いeNPSスコアは、組織内に不満が広がっていることを示しています。
では、どうすればeNPSを向上させられるのでしょうか。eNPS向上のためにはまず、eNPSと関連性の高い因子を知る必要があります。例えばメルカリでは、3ヵ月ごとにeNPSを実施しており、「仕事のやりがい」「成長実感」「マネージャーへの信頼」「心身コンディション」という四つの要素をeNPSに影響する課題と認識し、改善のために取り組んでいるといいます。
eNPSを実施することで、従業員の満足度を総合的に把握することができます。ここから具体的なアクションにつなげるためには、職場のどのような要素が最も影響しているかを分析し、施策へとつなぐことが大切です。
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