ラーニング・ブリッジング
ラーニング・ブリッジングとは?
「ラーニング・ブリッジング」とは、過去に学んだこと同士や、学びと仕事での経験など、複数の場面における学習をつなげて考えることをいいます。昨今、新しいスキルや知識を学ぶリスキリングが注目されていますが、ラーニング・ブリッジングはリスキリングと密接に関わった概念でもあります。新しいことを学んでいると、もともと持ち合わせていた知識との関連を発見したり、過去の経験との共通点を見出したりすることがあります。そのように学びを橋渡しして考えることで新たな知識・スキルの獲得を円滑にし、リスキリングを支えています。
過去との「共通点」をいかに見出すか。
社会人が効果的に学ぶには
新しいことを学ぶとき、人それぞれ知識を効果的に定着させるための方法があります。一人で黙々とやるより仲間がいたほうがはかどるという人、文字を眺めているよりメロディーに乗せたほうが頭に入りやすい人。ラーニング・ブリッジングもそうした学びの特性の一つです。
学生を対象にした大学生活におけるラーニング・ブリッジングの研究によると、ラーニング・ブリッジングは三つの形態に分けられます。一つ目は、「授業間の架橋」。ある授業で、他の授業での経験と結びつけながら考えること。二つ目は、「異時点間の架橋」。過去に身につけた知識をもとに、次の学期ではさらに発展的な内容に取り組むなどの学びが当てはまります。三つ目は、「授業と授業外の架橋」。授業で学んだことをアルバイトに生かすなどが挙げられます。
これを社会人の学習に置き換えるとどうでしょうか。一つ目は、研修を受けているとき、過去に受けた研修と結び付けながら考えることが当てはまるでしょう。二つ目は、これまでの経験を意識しながら、次に学ぶべき領域を選択すること。三つ目は、過去の研修などから得た知識を実務経験に活かしたり、実務経験から得られたことを学習に還元したりすることが挙げられます。
ラーニング・ブリッジングのメリットは、充実感を得られたり、知識・技能の習得を効果的に行えたりすることです。
第二言語を習得した人は、第三言語の習得が比較的容易になると言われています。もちろんどの言語を学ぶかにもよりますが、その理由は「0からのスタートではない」ことが影響しています。第二言語と第三言語のどちらもラテン語由来であるなど学習内容に共通点があったり、言語習得のプロセスが染み付いていたりすると、過去の知識と結びつけながら学ぶことができます。
昨今はリスキリングや越境学習が注目されていますが、何かを新しく学ぶとき、過去の知識や経験とどのように橋渡しをするかが、効果的な学習の鍵となりそうです。
参考:河井 亨、溝上慎一│学習を架橋するラーニング・ブリッジングについての分析―学習アプローチ、将来と日常の接続との関連に着目して―│日本教育工学会論文誌
用語の基本的な意味、具体的な業務に関する解説や事例などが豊富に掲載されています。掲載用語数は1,400以上、毎月新しい用語を掲載。基礎知識の習得に、課題解決のヒントに、すべてのビジネスパーソンをサポートする人事辞典です。
人事の学習帳 関連講座
「人材育成概論」に関する記事
「人材育成概論」に関する人事のQ&A
内省習慣を定着化させるコツを教えて下さい(経験学習モデル実践)
社内で、研修などの単発的なインプット型の育成とは別で、アウトプット型の定常的な育成方法を推進したく、内省の習慣化に着目しております。
経験学習モデルが最たるものと思いますが、実践となると、日常の業務の...
- さっささん
- 東京都/ 情報処理・ソフトウェア(従業員数 11~30人)
情報機器作業に係る労働衛生教育について
情報機器作業に従事する労働者に関しては、労働衛生教育が必須になるかと思いますが、講師に関して下記のように限定されております。
「本教育の講師は、情報機器作業教育指導員(インストラクター)等情報機器作...
- 相談者1914さん
- 岩手県/ その他業種(従業員数 1~5人)
教育ガイドラインに関するご相談
社内で設定している教育の仕組みについてご相談です。現在以下の3つの枠組みがあります。
1. *自己啓発:* 全額を自己負担で実施。学習時間は就業時間外の扱い。
2. *指名制:* 部署の責任者が対象...
- 匿名投稿者さん
- 東京都/ 建築・土木・設計(従業員数 10001人以上)
「人材育成概論」に関する書式・テンプレート
「報連相」チェックリスト
いわゆる「報連相」が効率よくできているかをセルフチェックするためのリストです。
社内勉強会開催のお知らせ
講師を招いて社内で勉強会を行う際のお知らせ文面です。
研修参加伺い書
外部のセミナー・研修で参加したいものがある場合、その可否を上司に聞くための伺い書テンプレートです。