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【ヨミ】ジカソウガク 時価総額

株価に発行株数を掛けた数字で、その会社の値打ちを表す指標として使われます。堀江貴文・前社長の逮捕で揺れたITのライブドアは「時価総額世界一」を目標に掲げて経営を行っていたと言います。
(2006/6/5掲載)

時価総額のケーススタディ

ライブドアの時価総額はピーク時で8000億円に
最初に「時価総額経営」を標榜したのはソフトバンク

一般に、企業はモノやサービスを開発・提供することによって収益を上げ、その結果として株価も上昇し、時価総額が高くなっていきます。

これに対して、時価総額の極大化を経営目標に掲げ、一般企業とは異なる手法でそれを実現しようとしたのがライブドアです。同社は次々に企業を買収して規模を拡大してきました。買収した会社は50社にも及び、ライブドアの時価総額はピーク時には8000億円にも達しました。モノやサービスを開発・提供することよりも、出来合いの会社を買収し続けることによって時価総額を高めたわけです。

会社を買収するためには巨額の資金が必要ですが、ライブドアは買収相手の株と自社の株とを交換することによって買収を進めてきました。このとき、自分の会社の株価が高ければ、より少ない株数で相手を買収できますから、たくさんの会社を買収しようとすれば、ライブドアの株価はいつも高値に保たれていなければなりません。

そこで使われたのが株式分割という手法でした。100万円の株を10分割しても10万円×10で株価は変わらないはずですが、実際にはその株式が発行されるまでタイムラグが生じて品薄になり、一方では株が買いやすくなったことで人気が高まりますから、結果的には株価も上昇します。これを繰り返すことによって、ライブドアは時価総額を極大化させてきましたが、その過程でウソの発表をして株価を操作しようとした疑いで、東京地検特捜部に摘発されたわけです。

時価総額経営は堀江前社長が初めて生み出した手法ではありません。かつてのITバブルの時代(1999〜2000年)に、時価総額経営を標榜したのがソフトバンクの孫正義社長でした。

同社は社債と株式の発行によって得た巨額の資金をIT企業に注ぎ込みます。出資先企業や傘下企業の株式公開によって、グループ全体の時価総額をさらに拡大するためです。しかも、IT企業やベンチャー企業の株式公開を支援するために米ナスダックを担ぎ出し、日本に新興市場(ナスダック・ジャパン)まで創り出したのでした。

一時は21兆円にも達したソフトバンクの時価総額は、ITバブルの崩壊と株価の低迷によって弾け、同社は通信事業に軸足を移し替えることによって(すなわち、サービスの開発・提供者になることによって)収益を上げる会社に転じようとしています。

似たような道を歩んだライブドアが、時価総額経営を捨てて何を残すのか。その道筋をつけるためにはなお時間が必要だと思われます。

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