日本経済団体連合会、「2014年 夏季・冬季 賞与・一時金調査結果」
~対前年増減率は2年連続のプラス、支給額はリーマン・ショック前と同等もしくはそれを上回る水準~
一般社団法人日本経済団体連合会は「2014年 夏季・冬季 賞与・一時金調査」を、経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,910社を対象に実施しました。
Ⅰ.調査の基本事項
調査目的:企業における賞与・一時金の支給実態を把握し、今後の対策の参考とするため、1953年から毎年実施(東京経営者協会との共同調査)
調査対象:経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,910社
対象時期:夏季賞与 2014年6月、7月支給分
冬季賞与 2014年11月、12月支給分
回答状況:集計企業数290社(有効回答率15.2%)
(製造業55.9%、非製造業44.1% 従業員500人以上規模81.7%)
Ⅱ.調査結果の概要
1.賞与・一時金総額(原資)の決定方法 ―夏季―
業績連動方式の導入割合は、1991年(全産業平均21.7%)から2003年にかけて、20~30%前後で推移した以降、2004年(35.3%)から増加傾向となり、2007年に40%(40.4%)、2013年に50%を超えた(53.2%)。
2014年は、50.7%と、2年連続の50%超となった。指標としては、「営業利益や経常利益等」(93.4%)が最も多くなっている。
2.賞与・一時金の水準 ―全産業―
非管理職・管理職別にみると、非管理職は夏季77万7,659円(対前年増減率+7.4%)、冬季75万4,270円(同+3.4%)、管理職は夏季152万2,615円(同+8.6%)、冬季141万4,344円(同+2.7%)であった。
多くの企業で業績が改善・拡大したことを受けて、非管理職・管理職とも対前年増減率は2年連続のプラスとなった。支給額は、リーマン・ショックによる世界同時不況の影響を受けて低下する前の2008年と同等もしくはそれを上回る水準となった。
3.産業別の状況(非管理職平均)
製造業では夏季78万5,766円(対前年増減率+7.0%)、冬季78万19円(同+4.1%)、非製造業では夏季76万6,729円(同+8.0%)、冬季71万9,262円(同+2.4%)で、いずれも前年比プラスとなった。
個々の業種でみても、対前年増減率がマイナスであったのは、繊維・衣服(冬季)、窯業(冬季)、金融・保険業(夏季・冬季)のみで、総じてプラスとなっている。
4.配分割合
1人あたり平均賞与支給額を100とした場合の配分比率をみると、非管理職・管理職とも、1990年代前半から「定率分」を減少させる一方で、「考課査定分」あるいは「定額分」を増やす傾向にあり、近年では「定額分」の増加が大きくなっている。
2014年も同様の結果となっており、非管理職は「定率分」40.8、「考課査定分」32.6、「定額分」23.8、管理職は「定率分」24.2、「考課査定分」46.8、「定額分」24.5であった。
5.考課査定の幅
標準者を0とした考課査定幅の分布状況は、「最高と最低の幅が同じ場合」では「10%以上20%未満」(非管理職36.1%、管理職27.4%)が、「最高と最低の幅が異なる場合」では「50%以上」(非管理職:最高幅30.9%・最低幅30.1%、管理職:最高幅40.0%・最低幅39.0%)が、非管理職・管理職とも最も多くなっている。
5年前の2009年(図表中( )内の数値)と比較すると、管理職・非管理職とも、「最高と最低の幅が異なる場合」に、査定幅を20%以上の区分で設定する企業の割合が増えている。特に「50%以上」は伸びが顕著となっており、10%ポイント前後増加している。
◆本調査の詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(一般社団法人日本経済団体連合会 http://www.keidanren.or.jp/ /3月27日発表・同社プレスリリースより転載)