日本生産性本部、平成27年度(2015年度)新入社員の特徴を発表
~ 新入社員のタイプは「消せるボールペン型」 ~
公益財団法人日本生産性本部の「職業のあり方研究会」(座長:ライズコーポレーション株式会社 代表取締役 岩間 夏樹氏)は、2015年度の新入社員の特徴をまとめました。
「職業のあり方研究会」は、若年者の就労支援、教育の専門家などで構成され、多くの企業・学校などの就職・採用関係者の協力を得ながら、その年の新卒入社者の特徴や就職・採用環境の動向などについて調査研究を行っています。
■2015年度 新入社員の特徴「消せるボールペン型」
見かけはありきたりなボールペンだが、その機能は大きく異なっている。見かけだけで判断して、書き直しができる機能(変化に対応できる柔軟性)を活用しなければもったいない。ただ注意も必要。不用意に熱を入れる(熱血指導する)と、色(個性)が消えてしまったり、使い勝手の良さから酷使しすぎると、インクが切れてしまう(離職してしまう)。
【解説】
2001年に国内販売が開始された消せるボールペン。様々な進化を経て、代表的なものは世界で10億本を売るヒット商品となりました。今や一般的な筆記具ですが、その商品化までには30年もの年月がかかり、日本が誇る高度な技術の結晶といえます。
入社式を迎える新入社員の見かけは毎年同じですが、その資質や特性は変化しています。消せるボールペンも特別なボールペンの姿をしているわけではありません。見かけだけで判断せず、その最大の特質である「書き直しができる機能」(変化に対応できる柔軟性)を活かして欲しいものです。
ただ、新しい特質には注意も必要です。「消せる」のは「消える」のではなくインクの色を摩擦熱で透明にしています。そのため、車のダッシュボードや熱い飲み物の下など、温度の高いところに不用意に書類を置くと文字が透明になってしまいます。新入社員をすぐ即戦力にしようと思い、熱を入れる(熱血指導する)と、色(個性)を消しかねません。また、使い勝手の良さから酷使しすぎると、いわゆるブラック企業と誤解され、すぐにインクが切れてしまう(早期に離職してしまう)危険性をはらんでいます。
新入社員の方々には、若いうちは何度でも「書き直し」ができると思って、失敗を恐れず、のびのびとチャレンジをして職業人としての経験を積んで欲しいものです。
【過去 新入社員のタイプ一覧】(PDF)
■ご参考:平成27年(2015年)入社組の就職活動の特徴
堅調な企業業績が反映し、新卒の採用も活発化する傾向にあります。大学等卒業予定者の就職内定状況調査(2014年12月1日時点、厚生労働省・文部科学省)における今春卒業予定の大学生の内定率は80.3%で、現行制度(12月情報解禁、4月選考開始)になった2013年の75.0%、2014年の76.6%から増加しています。2011年前後の超氷河期からはかなり回復し、リーマンショック前の水準に近づいております。これは新入社員の意識にも影響を与えると予想され、4月実施の新入社員意識調査の結果が注目されます。
本年入社の大卒新入社員は、現役生であれば、東日本大震災の直後に大学に入学しています。高校の卒業式がまさにその当日だったり、大学の開講日がゴールデンウィーク後になったりといった体験をしました。また大学卒業の直前にフランスでテロ事件が起きたため、卒業旅行の行き先を変更したといった話も聞きます。こうした様々な状況変化に対応してきた世代です。
■財団概要
名称 : 公益財団法人 日本生産性本部
設立年 : 1955年3月
所在地 : 東京都渋谷区渋谷3-1-1
事業概要: 調査、研修、セミナー、コンサルティング、出版など
◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(公益財団法人日本生産性本部 http://www.jpc-net.jp /3月24日発表・同法人プレスリリースより転載)